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ナイルパーチ釣行記:砂漠の果てに古代魚の王を求めて(スーダン共和国)~中編~

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2018.10.03
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ナイルパーチ釣行記:砂漠の果てに古代魚の王を求めて(スーダン共和国)~中編~

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2018.10.03
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石井裕二郎

1990年生まれ。
将来は牛の獣医さんになる予定。ルアー釣りと自転車をこよなく愛する28歳。
なるべく人力で釣り旅に出ることにエクスタシーを感じる。

ナイルパーチ釣行記 前編はこちら

湖に着いてから3日目の朝、湖畔の町を出てボートに乗り、湖上を飛ばすこと数時間。

漁師小屋に着きました。


ここに数日間滞在して「エギル」つまりナイルパーチを狙う事になった。

着いてすぐに挨拶を済ませ、さっそく釣りに行こうとするが
「今日は風が強いのでエギルのポイントには行かないぞ」
と言う。

こればっかりは仕方ないので、この日はおとなしく小屋の中で漁師さんたちの仕事を見学しながらおしゃべりをしていた。
実はこういうおしゃべりの時間は何より大切だと思います。
とんでもなく狭いコミュニティに暮らす彼らにとって、外人との接触はかなりの珍事。僕に抱くイメージはそのまま日本に対するイメージとなりかねません。
ガイドとの円満な関係というのは今後の釣りにも当然影響してくるが、それ以上に日本の評判にも繋がります。

この日はひたすらにおしゃべりしてお互いの事を知る時間とする。

そして夜。
彼らが僕用のベッドを作ってくれました。


スーダンのベッドは大体このタイプ。金属フレームに平ロープを編むようにして作ります。

「テントあるから大丈夫!」と言ったのですが、「アカラブが多いからやめときな」とのことでした。アカラブとはサソリの事。
試しに探してみると、さすが水辺と言う事もありワンサカいました。


サソリはブラックライトで光ると言う事を知っていたのでブラックライト搭載のヘッドライトを持って行っていました。

石をどけるとこのようにサソリが何匹も隠れています。


朝、気温が落ちると彼らの動きも緩慢になるので簡単に捕まえられます。

恐らくButhus occitanus『ファーブル昆虫記』に登場するかなりポピュラーな種類です。

さて、漁師小屋の周囲には小島が多くあり、いかにもなポイントが点在しています。

朝食とコーヒータイムを終え
「いざゆかん!!!」
と言いますが、またも「風が強いのでエギルポイントには行かない」と言います。

残念ですが僕は遊びできています。
一方、漁師さんたちにとって魚を捕ることは金を稼ぎ、生きる事に等しいので、彼らにガイドを強く依頼することは出来ません。

漁師さん達と行くことは諦め、水辺に打ち捨てられた幽霊船のような小舟を貸してもらえるように交渉し、無事OKを貰いました。こうなりゃ人力です。

木の板による手漕ぎであるため、移動距離は最長でもたったの1kmほど。
ただし釣りのポイントとしては美味しそうな島が小屋の周囲に点在していたため勝算はあると考えました。

こうして2日目と3日目はひたすらに近場を自力でサーチ。
色んなルアーを用いて、あらゆる水深を、あらゆるスピードでくまなく探します。
手持ちの駒は全て出しました。

しかしナイルパーチはかすりもせず・・・

またも僕を癒してくれたのはこの子達でした。


タイガーフィッシュ(Hydrocynus forskahliiか?)

首都付近で釣れた種とは別種の様に思われます。
細身なタイガーフィッシュなので引きはそこまで強くはありませんが、ポイントさえ見つけてしまえばこの種類のタイガーフィッシュは際限なく釣れます。

アマゾンの釣りのようなテンポの早い動きに反応が良く、早巻き出来るスプーン、ジャークが得意なミノーがあれば1日中楽しめます。


ちょっと遠めの小島に遠征した時は昼ご飯を現場で調達する必要があったので、このタイガーフィッシュを頂きました。

落ちている枝はカラカラに乾燥していて火付きが異常に良いので焚き火には困りません。
味付けは塩だけ。
非常に旨味の詰まった良い味でした。ニジマスの味に似ていますが、旨味成分の量が尋常ではありません。

食事と言えば、僕の海外遠征の中でもトップクラスのインパクトを残した料理がこの日の夕飯でした。

生きた羊を一頭買い付けて来て、その場でと殺、放血、そして解体。
骨ごと斧やナイフで叩き割って、一口サイズにします。また、肺、肝臓、小腸、などの臓器も取り出し、湖水で洗って一口サイズに切り、それをそのまま塩とスパイスだけで食す。というなかなかヘビーなもの。
まな板代わりに流木を使い、皿の代わりに漂着物の中でも平らに近いものを用います。

味の前に衛生面が心配になるところですが、僕は基本的に現地で出されたものは何でも食べます。
今までもそうしてきましたので、幸運なことに鋼鉄の胃を既に手にしており、この食事も難なくクリアしました。

こうしてタイガーフィッシュ釣りと日々の食事、さらに朝の散歩(ペリカンやフラミンゴが見られます。)を楽しみつつ3日過ごしましたが、さすがにそろそろナイルパーチの影だけでも確認したいところです。

そこで4日目は漁師さんたちの漁に同行させていただくことにしました。
彼らは刺し網漁をメインにしており、仕掛ける場所により様々な魚が取れます。


このテラピアはチヌそっくりですね。いかにもカワスズメっぽい顔つきである。


淡水フグ。Tetraodon lineatusだろう。現地名は「タンベーラ」。胸鰭の付け根の穴に口を付けて息を送り込むと膨らみます。


恐らくBagrus属のナマズ。大きなアブラビレが異様な存在感を放つ。

この他にもデンキナマズや、かの有名なアフリカンクララなど、多種多様のナマズを見る事が出来た。

しかしナイルパーチはかかっていない・・・


試しに漁から帰ってから夕方まで、何度も死に餌を打ち込んでみるが1度のアタリも無い。

漁に同行して感じたのだが、ここの魚はかなり場所が特異的です。
水流なのか水深なのか水温なのか分からないが、それぞれの魚が明確に棲み分けを行っている印象です。それはどこでも言える事ですが、他の釣り場に比べてその程度が大きい気がします。

ということはこの周辺に大型魚はいないのか!?

また、風が止んでも漁師さんたちは僕をナイルパーチ釣りには連れて行ってくれません。
この時点で僕はほぼ確信していました。

ここにいてはナイルパーチには会えない!!!

次の日、早々にここを離れることを告げます。
すると色々理由を付けてボートを出すのを嫌がりますが、「どうしても帰る!日本に帰る日が近づいているんだ!」と必死に交渉し、さよならを告げ、そのタイミングで来た物資補給の舟に乗って対岸まで帰してもらいました。
彼らは基本的に良い人達なのでもちろん感謝はしていますが、やはり生活リズムはゆっくりしていて、約束事を守ることに関しても緩いです。
それによりズルズルと自分の限られた時間を無駄にしてはいけません。


帰り際、湖上ですれ違った別の漁師さんの舟を見せてもらうとしっかりナイルパーチが掛かっていた。

やはりポイントが違っていたのか・・・

この漁師さんと別のポイントで釣りすることも考えたが、この数日の経験上、僕が丸1日かけてガイド付きでナイルパーチ釣りを出来る可能性は極めて低かった。
今回はこの経験を一つの情報として記憶し、次に繋げることとした。

僕は肩を落とし、今回のレイクヌビア釣行の幕を閉じる。

後編に続く。

協賛 TRANSCENDENCE様

ナイルパーチ釣行記:前編
http://www.monstersproshop.com/republic_of_the_sudan-nileperch/

ナイルパーチ釣行記:後編
http://www.monstersproshop.com/republic_of_the_sudan-nileperch_3rd/

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