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カナダ&アラスカ キングサーモン釣行 ~ネット普及前の冒険記~

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2016.03.24
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カナダ&アラスカ キングサーモン釣行 ~ネット普及前の冒険記~

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2016.03.24
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杉内 亮太

「釣りとサッカーを通じて世界を知る」を人生指針に世界行脚を目論む釣りバカ。
フィッシングチーム「小島漁行組合」組合員。

三平くんが開いた、世界への扉
キングとの出逢い。

image06

小学生時分に読み漁った釣りキチ三平。
カナダを舞台に繰り広げられたキングサーモン釣行編。
近所の池でのバス釣りに夢中だった少年時分の釣り世界をはるかに凌駕する、スケールの大きな釣りがそこには展開されていた。

海外には凄い釣り、そして凄い魚が存在することを知り、釣りの世界観を広げられ、好奇心を燻られ、心底興奮させられたことを懐かしく思い出す。

こうして回顧すると、海外の釣りの世界への扉を知らぬ間に開けていたのは紛れもなくあの時。
小学5年生のあの日だった。

月日は流れて十数年。会社の夏休み休暇に数日の有給を付け足し、カナダ・バンクーバ島でキングサーモンに挑もうとしていた。
釣り場としてそこを選択したのは、もちろん釣りキチ三平の影響。

結果から言うと、川の大増水でキングを狙うことすらできなかった。
やむなく、岸からのエサ釣りで数尾のジャック(キングの若魚)を手にしたのが精一杯。

image01

カナダでの初挑戦、成果はジャックのみだった。

だが、思い描いていたキングの大きさとは程遠いクーラーボックス内の彼らを眺めながらも、気落ちすることはなかった。
むしろ、キングとの距離が少し縮まったこと実感し、帰りの機内ではすでに次回の挑戦へと思いを馳せていた。

日本での日常生活を営みながら、キングへの思いはその日から更に増幅し、日々膨らんでいった。

「キングを、必ずこの手に…。」

その一点への想いは、ぶれることなく。

一方、会社務めで得られる10日やそこらの連休で、自力開拓でのキング捕獲の難しさを感じていた。
会社務めを始めて約5年半。数年先の自分の姿が、先輩方を通してうっすらと見え始めた頃でもあった。
先が見え、凝固し始めた人生。そんな生活に疑問を持ち始めていた。

仕事を辞めて、彼女と別れて、アラスカへ
そんな時分に、釣りキチ三平と開高健先生の『オーパ!』、これらが自分の中で融合、化学反応を激しく起こした結果。次なるキングへの挑戦場所が明確になった。

「アラスカで、キングを釣る! 」

そうと決まれば行動あるのみ。悩むことはなかった。
天秤に乗せるまでもなく、少年時分からの膨らんだ夢はやはり尊く、重たかった。
仕事を辞め、彼女と別れ、一人アラスカへと旅立った。

98年、28歳の頃である。

image00
アラスカのリス

アラスカへ向かう機内では、これから眼前で繰り広げられるであろう出来事への妄想にひたすら浸り続けた。
気分はもうキングを手にしたかのように高揚していた。

今と違い、インターネットで海外の情報を得ることができなかった頃の話である。
アラスカの釣り情報に関しても、1冊の地球の歩き方だけが頼りだった。釣りに関する情報はわずか2ページ程度。そこに記載されていたキングサーモン釣りのシーズンを信じてのプランニングであった。

アラスカに降り立ったのは11月。外は氷点下15度の世界。
何度も訪れ、現地の釣りを経験した今ならはっきりと分っているのだが、11月というのは川でのキング釣りは完全なオフシーズン。

そのことを知るのに時間は掛からなかった。
ライセンス購入の為に立ち寄ったアンカレッジ市内の釣具屋の店員の一言。

「キング?今は無理だ。」

茫然。

高揚した感情は現地の気温同様、一気に冷え込み、氷点下へ。

だが、このままでは終われない。

現地で得られた情報で海ならいけるかもといったその一点にかすかな望みを繋ぎ、雪景色の中をバスでスワードへ向かった。
安宿の部屋に入るなり、電話帳でそれらしき番号へ片っ端から掛けまくるも、全ての返事が “No.”
部屋のTVに映っていたマドンナの笑顔が落ち込んだ気持ちを更に落ち込ませた。

気晴らしの散歩に出る。
スワード市内の川底に横たわる産卵後のサーモンの死骸が、暗く沈んだ今の気持ちを見事に具現化していた。

結局、駄目だった。
はじめてのアラスカ旅は、やはりキングへ挑戦することすらできずに幕を閉じた。

旅路の果ての一匹
だが、キングをキャッチする夢は簡単には諦められなかった。むしろ簡単に釣れてしまわなくて良かったと思えた。
挑戦する気持ちさえ持ち続ければその間、まだ夢を追い駆け、見続けることが出来るのだから。

image02

現地で得た友人と

翌夏、迷うことなくアラスカ再訪。先の釣行で知り合った友人宅に3か月滞在させてもらうことになった。

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キーナイ川の夕焼け

一匹を捕獲するまでのプロセス。それが長く困難であればあるほど、捕獲時の感動は言葉にできないような、何物にも代えがたいものとなる。

日常生活では決して得られない、あの高揚。その瞬間が、ついに、訪れた。

「きた!」
「やった!
「ばれるな!」
「たのむ!ばれるな!」

「…よっしゃ!」

封印していた思い、感情が一気に全開放され、鳥肌が立ち、複雑な感情が入り混じって、一気に沸点に達し、思わず咆哮してしまう、あの興奮。
夢が現実へと昇華するあの一瞬。その極上の時間を味わうことが許されるのは、夢を思い描き、決して諦めず、寡黙ながらも熱き心を持ち、挑み続けた者だけである。

夢を叶えた釣人は、時としてその瞬間からある大病に羅漢してしまうことがある。
禁断の果実でもある、その極上の一瞬は、時として釣り人を狂わせる。
気が付くと次の夢を追い駆け、追い求め、水辺を徘徊し続けている。すっかりあの快楽に憑りつかれ、変貌したがそこにいるのだ。
これは、釣り旅の中でのみ平常でいられる、治療困難な病。

今こうして、28才時分の旅を回顧しながら40半ばになってこう思う。
あの時分に旅をしていなかったら、どんなに退屈なオヤジになっていたのだろう。
自身の世界観や価値観の広がりもなく、小さな世界で何とか今日まで生き延びていたのだろうか。

先の人生を大きく変えてしまうことすらある、異国での強烈且つ鮮烈な出逢い。
それは魚だけには止まらず、人、風景だったりと様々だ。いずれも、ネットや映像の閲覧だけでは決して得られない、生涯忘れられないもの。
その時その場所で本人の五感で得られた貴重な体験、感じた気持ち。それらは、その後の人生を華やかに香付けしていってくれる、お金では決して買えない素敵なエッセンス。
その香りに染め上げられた人生。永遠にその芳香は消え失せることなく、むしろ時間の経過と共により芳醇なものへと変化し続ける。

初キング、キャッチ。
記憶に残る一匹との出逢い。
7月4日アメリカ独立記念日。
キーナイ川で出逢えた40lbオーバー、フレッシュランのキング。

image03

横たわった、我が夢。
それは尊く、美しかった。

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