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アリゲーターガー釣行記inテキサス

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2016.12.27
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アリゲーターガー釣行記inテキサス

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2016.12.27
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鍋田 陽二

1970年 福岡県生まれ
魚類と両生類をこよなく愛する中年冒険家&ハンター。
Facebook上の釣り愛好会『魚塾』の塾長を務める釣りバカでもある。

プロローグ 
少し肌寒くなりかけた夕暮れ時、私はテキサスにきて3日ぶりのまともな食事を頂くことができた。
ガノイン鱗に覆われた硬い身体から身を取り出すのに四苦八苦し、私はバーベキューコンロに火をつけた。
%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%911m程のアリゲーターガー。捌くのに1時間程要した。

 %e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%926日間暮らすことになったガイドの自宅の脇にある我が仮住まい。バーベキューコンロを引きずりやっとの事で用意を済ます。

20分ほどして、こんがり焼けたアリゲーターガーの肉にかぶりつき一人きりの宴を楽しんだ。『一度で良いからアリゲーターガーを食べてみたい。』その思いはテキサスで叶ったのだ。そして、その一人感極まる様子を静かにリスだけが見守っていた…。 %e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%93孤独な一人バーベキューを癒してくれたのはリスだけであった。

今回はテキサスを旅し、孤独と闘いながら次々とターゲットを仕留めていったある男(私)の物語である。

第1章≪情報収集そして渡航≫
テキサスに向けて出発する前々日、私はテキサス釣行の経験者である沖山朝俊、小澤勝信の両氏と五反田の寂れた居酒屋にいた。

二人は親切丁寧に過去の釣行について語ってくれたのだが、いつものように酒が進むにつれて3人とも泥酔し、翌日には折角の情報も殆ど記憶を残していなかった。

ただ記憶に残っているのは、ガイドのカークの口癖が『bastard!!(畜生)』である事と宿泊する予定のホテル近くにあるロスパンチョス(メキシコ料理屋)のティーボーンステーキが非常に旨いという2点だけであった。

二人の活躍はこちらから!!

そして翌々日、私は一人ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル・ヒューストン空港に降り立った。少々空港で待たされることとなったが、無事にガイドのカークとも会え、早速テキサスまで車を走らした。ホテルに向かう途中、カークはスーパーマーケットに車を止め私に言った。

『ここで食糧の買い出しだ。沢山買い込んでおくと良いよ。宿泊するところには電子レンジも備えているから冷凍食品なんかお勧めだ…』

しかし、ロスパンチョスで毎晩ティーボーンステーキ食べるつもりでいたので、朝食用のバナナを大量に購入するに止めておいた。

更にスーパーマーケットから1時間程走っただろうか、森に囲まれた閑静な住宅街の一軒の家に車は泊まった。
そこはホテルではなく、なんとカークの自宅だった。そして、カークは言い放った。
『ここが宿泊所だ。荷物を庭の隅っこにある小屋に運んで!それじゃ明日の朝は6時に出発ね!おやすみ!!』

カークの自宅から夢のロスパンチョスまで徒歩で1時間程。この時点で私の主食がバナナが決定した。%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%94今回の宿泊所、中に入ってみると結構オシャレ。

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%92

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%95数々のアングラーと巨大なアリゲーターガーの写真。バナナを頬張りながら眺める。明日からの釣果を夢見ながら就寝。しかし時差で中々寝つけない。

第2章≪初のアリゲーターガー≫
朝6時カークは時間通り現れ、我々は今回の主戦場であるトリニティリバーに向かった。
そして、ボートに乗り込んだ後、想定外の酷寒の中、震えながらエサの確保を行った。%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%96余裕の半袖半ズボンで川岸に降り立ったが、あまりの寒さに後悔…。

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%97投網でエサになる鯉を確保する。カークはしっかり防寒、半袖半ズボンの私は震えながらカークの投網を傍観。

1時間程、私の出番は無くこの苦行は終わった。クーラーボックス一杯に餌になる鯉を確保した我々はいよいよアリゲーターガーのポイントに向かった。

川岸に沿って50m間隔に4本竿と魚が糸を引くとセンサーが反応してアラームが鳴るというバイトアラームを設置した。
一時間程は、ひたすら待っていたのだが、なかなかアラームが鳴らない。遂に私は暇を持て余し、カエル探し、また近くにいた鹿を追い回したりすることに集中し、一方のカークはひたすらスマートフォンに集中した。

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%98今回出会えたカエル。ウシガエルの子供だろうか。

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%99牡鹿。日本で見る鹿よりひと回り大型。

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%91%ef%bc%90この調子で本当に釣れるのか、いささか不安になる。

早速、チームワークはバラバラである。更に1時間程たったであろうか、突然けたたましくバイトアラームが鳴り響く。
私は慌ててボートに乗り込み、反応した竿のある場所までボートを走らせた。竿を握りしめた時には、既にかなり糸がでており、獲物は十分にエサを飲み込んでいると想像でき、チラッとカークの方を見ると、彼もOKの合図を送っていた。

渾身の力を入れて合わせる。竿に重みを感じたかと思うと一気に魚は走った。何度かラインを出されながらもカークの操船のお蔭で、5分余りで魚を船縁まで寄せることができ、カークは手慣れた手つきでロープを使い、魚をボートに引き上げた。

先程までとは、うって変わって中々のチームワークであった。現れたのは150cm推定30㎏のアリゲーターガーである。この時までは、まだまだ日が昇り気温が上昇するにつれて釣れはじめるであろうと予測し、数枚写真を撮って、すぐに川に放すこととした。

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%91%ef%bc%91初のアリゲーターガーに安堵する。レピソステウス目レピソステウス科に属し、中生代より姿を変えていない生きている化石ともいわれる。

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%91%ef%bc%92チョウザメやガーパイク等の原始的な魚に多く見られるガノイン鱗。

ところが、この後は延々と鳴り続けるバイトアラーム、次々とバラす、カークの『bastard!』が連呼される。この負のスパイラルが夕方まで続いた。

初日は残念ながら1匹だけの釣果となった。帰りの車で多少の疲れと時差ボケで寝てしまった私は、カークの自宅に到着したときにやっと目覚める事となり、買い物が出来ず終いだった。

そして今夜の夕食は、またもやバナナとなった。

第3章≪アリゲーターガーが夕食に並ぶ日≫
釣行2日目、その日も朝からカークの『bastard!』の叫び声が鳴り響いた。昨日の悪い流れをそのまま引き継いでいる。
寒さのせいなのか、はたまた、小物のアリゲーターガーが餌を飲み込み切れていないのかは不明であったが、この日も1m程のアリゲーターガー1匹の釣果となった。

残念ではあったが、このアリゲーターガーを持ち帰り、夕食としていただく事にした。この日は眠さにも耐え、帰りにスーパーマーケットに立ち寄ってもらい。生野菜、塩コショウ、マッシュポテトなどバーベキューに必要なものを買い込んだ。

カークも『今日はバーベキューだな!!』と買い物には協力的であったので、すっかりカークの家族と共にバーベキューを楽しむことになると期待していたのだが、自宅到着後、カークはアリゲーターガーを捌く鋭利なナイフとバーベキューコンロを用意してくれたかと思うと『明日は5時半ね!おやすみ!!』と自分の自宅に消えて行った。

暫らく茫然と立ちつくしたが、のんびりしている暇はない。すかさず用意に取り掛かった。
%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%91%ef%bc%94やっとの事でアリゲーターガーの身体から取り出した3日目の主食。

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%91%ef%bc%95豪快に半身を丸焼きに….これぞアメリカンだぜ!味付けはシンプルにガーリックソルト&ペッパー。

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%91%ef%bc%97久しぶりの豪華な夕食。冷えたビールで明日からの巻き返しを誓い。一人乾杯!

念願のアリゲーターの食感は、魚とは思えない噛み応え、どちらかというと鳥肉の胸肉の更に弾力がある感じ、そして味の方も申し分なかった。

特に感動したポイントは、皮まわりには臭みがあるという事で、その部分を除いてしまえば、牛肉や豚肉でさえ感じるそれぞれ特異の匂いもアリゲーターガーの肉には殆ど感じられなかったということである。一言で言えば、かなり上質な肉であった。
ステーキ屋さんの息子である私が言うから間違いないと思う…。

美味しい夕食が感動的な1日だった。同時に一人きりのバーベキューの寂しさとテキサスの夕焼けが心に沁みてこの日を終えた。

第4章≪現れる巨大ガメそして….≫

残りは本日を入れて2日間、若干の焦りを感じ始める。
そしてこの日は、かなり上流に来たようだ。何とか今日には結果を出して楽になりたいところだ。
いつものように竿を4本バイトアラーム付きで設置、そして持参した2本の竿も合せて竿6本体制で臨んだ。

暫くするとボートから岸際に投入していたウキがゆっくりと動き出した。動いてはとまり、また暫く動いてはとまり、ついには川に沈んだ大木の下に潜り込んだ様だった。%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%91%ef%bc%98何物かが大木の根元に潜り込んだようだった。

竿を煽って何とか引き出そうとしたのだがビクともせず、ラインを手繰りよせながら棒で木の枝を押し掃っていった。すると、大きな枝を払ったかと思うと水中から大きな泡が上がり、手に握ったラインに生命観を感じた。

カークが叫んだ。『what a stupid turtle !come on !!』

ラインを引っ張ると巨大なカメが浮き上がった。ワニガメである。%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%91%ef%bc%99ワニガメ現る

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%92%ef%bc%90生息地ではあるので、ひょっとしたら釣れるかも位に考えていたが、非常に嬉しい誤算。

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%92%ef%bc%91続けざまに2匹目も釣りあげることができた。

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%92%ef%bc%92試しに長靴(長靴の中に足ははいってません)を噛ませてみたが、いとも簡単に貫通。よい子も悪い子も決して真似しないように!!

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%92%ef%bc%93ここ米国では保護動物に指定されているため撮影後丁寧にリリース。

しかし、嬉しい誤算でワニガメは釣りあげることができたが、その後、なかなかアリゲーターガーからの反応はなかった。この日もタイムアップまで30分をきり、最終日に賭けるしかないかと、諦めかけた時、手元に置いていた竿から一気にラインがでた。

今迄とは明らかに違うスピードで魚が泳いでいるようである。急いで、ボートで追いながら餌を完全に飲み込むまで待った。10分程だろうか、魚のスピードが弱まり、同時にボートとの距離が縮まった。カークの合図と共に鋭くあわせると、明らかに今までの魚とは違った重量感が伝わってきた。

苦戦するかとは思ったが、カークのサポートが非常に良く、いとも簡単に船に上がった。船上で大暴れしたのは、全長180cmのアリゲーターガーであった。
%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%92%ef%bc%94遂に満足サイズのアリゲーターガー

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%92%ef%bc%95あまりの嬉しさに入水

最終日を待たずして何とか最低限の自身の身長を超えるサイズのアリゲーターガーを釣ることができ、また計らずもワニガメまで釣ることができた3日目の釣行は最高の結果となった。

第5章≪その他のガーパイクを狙う≫
そして最終日、夜が明けた。最低限の目標をクリアーしたので、現存するガーパイク(ガー目)7種のうち、ここテキサスで釣ることができるアリゲーターガー以外の2種であるスポッテドガーとロングノーズガーを狙うこととした。%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%92%ef%bc%96今日も朝は激しく冷え込む。しかし、水面にはフィッシュイーターが小魚を襲う波紋が方々に広がる。

先ずは、ロングノーズガーを狙うことにして、魚影の濃いワンドに船を止めた。ロングノーズガーは、ガー目レピソステウス属に含まれる4種の内の1種であり、大きさ2m前後までの記録はあるが、口は名前の通り細長く大きな餌を飲み込むには適していない。その為、鯉を小さな切り身にして投げ込んだ。

 

30分ほど経っただろうか、1本の竿に反応があった。カーク曰く、ロングノーズガーはアリゲーターガーよりもフッキングが難しいという事で、更に、しっかりラインを送り込んであわせた。重量感はないがスピードがあり、心地よい音でドラグが鳴った。

そして、幸先よくロングノーズガーを手にすることができた。
%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%92%ef%bc%97ロングノーズガー。120cm程のミドルサイズ。

この調子で、スポッテッドガーも狙おうと場所を変えたが、折からの強風でまったく釣りにならなくなり、そしてタイムアップの時間を迎えた。最後は全くもって感動的なエンディングを迎えることはなく釣行を終えた。%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%92%ef%bc%98これにて終了。カークは躊躇なくボートを片付けた。

自宅に戻りカークとは固い握手を交わしお別れを言った。決して気温などの状況は良くなかったが彼のお蔭で総じて満足いく釣果となった。

エピローグ
翌朝10月26日カークの奥さんに空港まで送ってもらい、成田への飛行機に乗り込んだ。
10月27日が私と妻の19回目の結婚記念日という事で、機内で化粧品を山のように買い込み帰路についた。

当然、日付変更線の存在を忘れていた私が帰国したのは10月28日。
この旅最大のドラマティックなエンディングは自宅の玄関のドアの向こうに用意されていたのだ。

私は震える手でインターフォン押しながら力なく呟いた。

『bastard…』

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