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東南アジアの巨大トビハゼ ”ジャイアントマッドスキッパー” を追う (タイランド)

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2016.07.21
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東南アジアの巨大トビハゼ ”ジャイアントマッドスキッパー” を追う (タイランド)

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2016.07.21
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半澤 聖也

宮城県生まれ
フィッシングカレッジ卒業後、魚類調査会社へ所属。約三年に渡り、東北各地の水辺でフィールドワークを重ねる。東日本大震災を機に、メインフィールドを海外へ移し、タイランドで観光客のガイドや釣り雑誌のカメラマンとして活動。
現在はMonsters Pro Shopの運営と、釣り番組の制作営業に携わる。


シンガポールからマレーシア、そしてタイランドまで。東南アジアをマレー鉄道に乗って旅したことがある。その道のりは1000キロにも及んだ。

街から街へ移動するたびに、知らない景色が、知らない料理が、知らない言葉が、五感すべてを楽しませてくれる。

穏やかだが刺激的な時間を楽しみながらも、常にカメラをポケットに忍ばせ、いつ現れるかも知れない生き物たちとの遭遇を期待していた。

現れる生き物はどれも見たことすら無いか、あるいは知っていても図鑑の挿絵で見かけたことがある程度のものばかり。
興奮で視野が狭まり、思いがけず童心に帰ってる自分に気づく。しかし、周りの目は気にしない。

充実感あふれる、とても良い旅だった。と、今になって思う。image19ツバメが、電線にギュウギュウ詰めに留まって寝ている光景はマレーシアで見た。一体何羽いるんだろう?

image12
アジアジムグリガエルというコロコロした可愛いカエル。野犬に吠えられ、蚊に刺されまくりながら道路脇の側溝をライトで照らして見つけた。

image08シンガポールの森の中では、食虫植物ウツボカズラの一種が自生していた。その奇妙なたたずまいは、まるで現実世界に現れたポケモンのよう。

image01いかにも毒がありそうな水蛇。水中で獲物を待ち伏せているところを手で捕まえた。絶対に真似はしちゃダメ。

image1410キロはあろうかという巨大なミズオオトカゲ。バンコクのドブ川にて。

……しかし!この目で姿は見たものの、捕まえることはおろか、写真にすら撮れなかったヤツがいた。

タイランドで見かけたその生物は、魚ような見た目なのに陸を、しかもネズミのようなスピードで歩き回っていた。

「あれはなんだったんだ!?」
そんな疑問でモヤモヤしたまま帰国の日を迎えてしまった。旅先に忘れ物をしてきたような、そんな気持ちだった。

謎の生物への再挑戦
時は経って、気づけば僕はバンコクでアパートを借りる契約書にサインをしていた。
自分でもまさかと思う展開だが、タイランドに移住することになってしまったのだ。
こうなったら、あの時に見た謎の生物を絶対に捕まえよう!

移住からほどなくして、魚釣りという趣味を通じて、たくさんの現地人と知り合うことができた。
彼らから目撃情報の収集を繰り返し、有望なエリアを絞り込む。

話を整理すると、あの生き物を探すなら川の水と海の水が混じり合うと干潟が良いんじゃないか?とのこと。


いてもたってもいられず、上司の車を借りて、夜が明ける前から干潟に向けて出発した。

image18東南アジアの海沿いの道は、なぜか赤い土が露出していることも多い。朝日や夕日の時間と重なると、一気に異国感が漂う。

image13水辺をキョロキョロしていると、現地の人に声をかけられた。ボートに乗せてくれるらしい。市街地からそう遠い場所ではないが、なんだか秘境感が出てきた。

image00むき出しのエンジンでフルパワー!迷路のように入り組んだ細い水路を爆走する。恐怖しか感じない。

ようやくたどり着いた干潟は波も無く、とても穏やか。のんびりとした空気が流れる。

アイツが現れるまでは、暇つぶしに持ってきた釣り竿を伸ばして待つ。
日本にも居るような、だけど少し違うような小魚がたくさん釣れる。これはこれで楽しい。

そして足元を見ると、なんとカブトガニ!
嬉しすぎる収穫。生きた化石とも呼ばれるカブトガニは、昔からずーっと捕まえたいと思っていた生物。思いがけず夢が叶った。

image03濁った砂煙の中から突然現れたカブトガニ。よくよく観察すると、つぶらな瞳が可愛い。しかもなんと交尾中だった。

image05キスの一種か。美味しそう。

image16ノコギリハゼの仲間。小さいが、よく見るとトゲトゲしててかっこいい。

そしてついに、探し求めていたあの生き物を発見した!木陰で休んでいるようだ。

写真にだけでも収めたい…!震える手で、コンパクトデジタルカメラをズームして写真を撮る。何度もシャッターを切り、ようやく納得のいく写真が撮れた。image11木陰で休むネズミのような生き物は、質感から言って確実に魚類だ。それなのになぜか体の80パーセントほどが陸上に……。

幸い、相手はまだこちらに気づいていないらしい。こうなったら捕まえない手はない。

だがあの時、すごいスピードで「走る」ところを見ている。追いかけても、負けは見えている。そこで試しに釣り針にフナムシを付けて、鼻先へ投げてみた。

驚いて逃げてしまうのかと思ったら、意外なことに興味津々でエサの後を追いかけてくる。そして完全に陸へ上がってから、パクッと食いついた。

……まさかとは思ったが、本当に釣れてしまった。

あまりに特殊な状況での魚釣り。このままリール巻くと、岩場を引きずることになってしまう。それは可哀想だとこちらから駆け寄ると、予想以上に巨大な魚が釣り針を咥えている。

ぴょんぴょんとやけに陸上慣れした魚らしくない動きで逃げ惑うが、なんとか捕まえることができた。

地を歩く魚の正体は、巨大なハゼだった。ちょうど日本のトビハゼを大きくしたような風貌で、なんとも可愛らしい顔のリトルモンスターである。
image15あまりのサイズに駆け寄ってみてびっくり。噛まれないかビクビクしながらのファーストタッチ。魚というより、爬虫類や両生類に近いものを感じる。

image07ちなみに日本で見られるトビハゼは、だいたいこんなサイズ。これは石垣島で捕まえたミナミトビハゼ(Periophthalmus argentilineatus)らしき個体。

image09手に乗せると、先ほどまでの俊敏な動きとは裏腹におとなしくしている。真正面からの写真も撮らせてくれた。ほっぺがあって目が飛び出て、なんともブサかわいい。

image04日本のトビハゼは普通にかわいい顔をしている。が、飛び出た眼など基本的な特徴は一致する。

image10どの角度から見ても、本当に面白い顔をしている。

どうやらこれはジャイアントマッドスキッパー(periophthalmodon schlosseri)という魚らしい。世界最大級のトビハゼだ。

手のひらの上でおとなしく写真撮影に付き合ってもらったので、元いた木陰に返してあげよう……と思ったが、この魚が泳ぐところを見てみたい。ちょっと意地悪をして水中に逃してみた。

すると、一切潜ることなく水面をスキップするように、ピチャピチャと対岸に泳いで行った。
まるで小石の水切りだ。
image02
水面を跳ねるようにピチャピチャと飛んでいく。最後まで、顔を水につける姿を見られなかった。

image17後ろからもう一匹のマッドスキッパーが後を追いかけていく。相方かな?心配させてごめんね。

この1匹に出会うまでに相当な時間が掛かってしまったが、その思い煩う期間の長さだけ、余計に衝撃的で記憶に残る捕獲劇となった。

それにしても、本当にかわいい魚だった。
いつの日か環境を整えて、あの愛くるしいジャイアントマッドスキッパーを飼育してみたいものだ。

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