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ブルーマシール釣行記 瑠璃色に輝く鯉を求めてヒル山を行く(タイ王国・チャオランダム)

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2017.02.09
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ブルーマシール釣行記 瑠璃色に輝く鯉を求めてヒル山を行く(タイ王国・チャオランダム)

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2017.02.09
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鍋田 陽二

1970年 福岡県生まれ
魚類と両生類をこよなく愛する中年冒険家&ハンター。
Facebook上の釣り愛好会『魚塾』の塾長を務める釣りバカでもある。

…何も好きこのんでヒルがだらけの山道を6時間も歩き続ける者はいないだろう。

そう呟きながら次々と足から這い上がってくる無数のヒルを払いのけながら山道を歩き続けた。
ただひたすら瑠璃色に輝く渓流の鯉、ブルーマシール(Neolissochilus stracheyi)を手にすることだけを願いつつ。

【釣行の始まり】
現地入りする前々日のこと、現地在住の日本人フィッシングガイドであるシゲさんから連絡が入った。
タイ南部が記録的な大雨による洪水で空港の一部が閉鎖、目的地としていたチャオランダムの増水と渓流の濁りというものだった。

コンデションが良くないことは理解した。
だが釣行は可能とのこと。一通りの釣り具を用意しタイ南部のスラタニ空港に降り立った。
空港から車で一時間、さらに船で一時間半。今回のベースキャンプである水上家屋に到着した。
水上家屋に到着するまでの船旅。まさにアジアンジャングル。テンションが上がる。

今回3泊する予定の水上家屋。

今回は比較的、短めの遠征。到着した当日を合わせて3日間のトレッキングと釣行を行う予定となっていた。
初日は正午から夜までの半日しか時間がなく到着後早速バックパックに釣り具のみを詰め込んでダム奥地に流れ込む渓流にボートを走らせた。
しばらくすると森の中から水辺に降りてきた野生のアジアゾウが現れた。魚だけでなく野生動物も観察できればと期待していたが、こうも簡単に野生動物の本命アジアゾウに逢えるとは…。

野生のインドゾウに比べるとかなり小振りな印象

まさかの幸運に心躍り、ハイテンションでチャオランダム奥地の渓流へ接岸した。
そこからは上流に向かい渓流沿いや山道を迂回して歩きながらルアーを投げ続けた。

ん!?なんだか変だ!!

15分程して下半身に違和感を感じ、渓流に座り込みズボンを捲ってみると…。
なんと脚にヒルが20匹以上も群がっているではないか!!
履いていたジーンズを捲ってみると…

「うぎゃぁぁぁ…!」

森に響きわたる叫び声、同時にシゲさんも叫び声をあげた。二人とも発狂寸前である。
本来なら乾季にあたる1月に突然大雨が降ったものだから、ヒルたちの活性が急上昇していたのだ。

その後も森に入り地面を見ると、恐ろしい数のヒルが地面に敷き詰められていた。
一歩ごとに靴へへばり付き、想像を絶するスピードで足を這い上ってくるのである。

ズボンを履いているとヒルの存在に気付くのが遅れて血を吸われてしまう。
苦肉の策で私はジーンズを脱いだ。ヒルに怯えながらのパンツ一枚釣行の開始

現地ガイドのチャンも仲間に入り、パンツ一枚の男達の行列…。異様な光景である。

その日は、夜間まで粘ったにもかかわらずヒルに血液と集中力を吸われ続けて、敢え無く撃沈。ノーバイト&ノーフィッシュとなった。すっかり暗くなる。益々ヒルの活性が高くなる。

パンツ一枚で森を彷徨う男達。日本なら完全に警察沙汰であろう。

やっとの思いで我々は船にたどり着き、そして水上家屋に戻った。
船から倒れ込むように水上家屋に倒れ込んだシゲさんのズボンは血まみれだった。晩の食卓には素晴らしいタイ料理が食卓に並んだ。

その日の夕食は豪勢なタイ料理が食卓に並んだが、憔悴しきった我々の間にほとんど会話はなく食事を終えた。

【釣行2日目】
そして、2日目の朝を迎えた。
正直、ヒルが待ち構えている山に戻るのは憂鬱であった。
本日は昨日同行した現地ガイドのチャンともう一人の現地ガイドが加わった。

なんと彼が持参したのは日本のヒル除けスプレー『ヒル下がりのジョニー』
まさに救世主の登場であった。同時に彼の名前はジョニーと決定した。『ヒル下がりのジョニー』ヒル除けの薬らしい。効果のほうは如何に?

本日から加わったジョニー。ライフルを持参してきた。このエリアにはトラやゾウなどの危険があるということ、レンジャーである彼が加わった。ライフル無しの昨晩の釣行が安全なものであって本当に良かった。

昨日からガイドしてもらっているチャン。ジョニー共々に人相が…。

シゲさんも含めた我々4名は再び渓流を上流に上り始めた。

ルアーを投げ続けるが、この日も殆ど魚からの反応がなかった。
同時に期待したヒル下がりのジョニーの効果はそれほどでもなく、やはり多くのヒルが私の脚に満員御礼となった。

これは、後程発覚したのだが、ヒル下がりのジョニーの中身はレンジャーであるジョニーがタイガーバームを薄めた液体に入れ替えられており、真の効果を発揮しなかったのである。

ヒルの猛攻に耐えながら釣行を続け、お昼をまわったころやっと今回初めてのアタリがあった。そして渓流の流れの中で獲物を手繰り寄せた。

「きたぁぁぁ!!ブルーマシール!!』タイのゴールデンマシール現地名プラーヴェイン(Tor tambroides)という魚らしい。

大喜びで魚を撮影する私の後ろでチャンがつぶやいた。

「これブルーマシールじゃないよ…。」
どうやら、こちらではゴールデンマシールと呼ばれている魚らしかった。個体差よっては青色に見えなくもないが…。それにしても、渓流の流れもあって、この魚はやけに引きが強い。釣りものとしては最高に楽しい。

続けざまに2匹目のゴールデンマシールも釣れて調子づいてきたように思われたが、その後も本命は現れず。あえなく血まみれ釣行を終えた。

【釣行最終日】
最終日、もう後がない、この日は前日、前々日とは違う渓流を上ることにした。
ボートで渓流の入り口に入ろうと船を進めていた時、水面を割る捕食(ボイル)を見つけた。その中にルアーを投げ込むと小型ではあるがプラーカスープを釣り上げることができた。プラーカスープ。サイズは小さいが今回、狙っていた魚の一つ。

今日は天気も良いし、朝からの釣果に今日はいける!との手ごたえを感じた。
その後もプラーカスープや小型のシャドー(ジャイアントスネークヘッド)が次々と釣れた。もいっちょプラーカスープ。さっきのよりも大きいぞ。

プラーシャドー。こちらもサイズは小さいが渓流で釣れるとは運も上向きか?

天気のせいなのか、川筋が違うからなのか、昨日までのヒルの猛攻もすっかり止み、釣りに集中することができた。
さらに、増水や濁りも収まりつつある。チャンスだ!
素晴らしいポイントに到着。ここならいけると確信。

そして、我々はいかにも魚が溜まっていそうな淵に辿り着いた。静かに近づき淵の一番奥にキャスト、ゆっくりとルアーを泳がせた。

カツン!と鋭いアタリと同時に、勢いよく魚が走った。

水際までなんとか寄せてきたときに、その魚は瑠璃色に輝いたようにみえた。
3日間渓流を歩き続け、ヒルに血を吸われながら、やっと手にすることができた瑠璃色の鯉、ブルーマシール。水際で輝く瑠璃の色。この魚に出会うために此処まで来たのだ。


ブルーマシール。タイでの呼び名はプラープロワン。

本当に美しい魚に出会えて心が洗われたようだった。
もはや、ヒルの猛攻でさえもこの瞬間の感動を演出してくれたのだろうと感謝するほどだった。

そして夕焼けを眺めながら我々は水上家屋に向け渓流を下った。
この後、夕暮れとともにヒルの活性が最高潮に達し、血まみれになるとは知らずに…。

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