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ミズウオを求めて30km歩いてみた話(静岡県・駿河湾)

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2017.03.12
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ミズウオを求めて30km歩いてみた話(静岡県・駿河湾)

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2017.03.12
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山根央之

1990年生まれ。2012年よりメコンオオナマズの生態研究に携わっている。アクアリストや釣り人に現地でのフィールドワークを提案するプロジェクト【chill trip】の一員。近畿大学農学部水産学科出身。

大きな口と鋭い牙、この2つを兼ねそろえた魚はカッコイイと言われる。
今回の主人公は両者を兼ね揃えた上で、まるでバショウカジキの様な背鰭をもつ深海のスター”ミズウオ”だ!

ミズウオとは深海300から1000 mに生息し、全長2mにまで成長する深海魚だ。
食欲旺盛な肉食魚であり、その大きな口でありとあらゆる物を襲う。
例えそれが、生き物ではなく、海ゴミであってもだ。
胃袋から空き缶やプラスチック片が出てきたって話をよく聞くのはミズウオのこと。

この深海魚を僕らは、浜から狙ったのだ。
そう今回は、打ち上げられる深海魚をひたすら探すお話し。
海は時に途方もなく広く、静岡の砂浜は切なくなるほどに美しい。
何度溜息をついたことか。

ミズウオが打ち上がると言う情報を得たのは2016年1月のことだった。
場所は静岡県駿河湾の砂浜らしい。
弟のマサと2連休を利用して駿河湾のとある砂浜に降りたった。
情報をくれた友人には敢えて詳しい場所は聞かなかった。
何故かって?ちょっとしたプライドがあったから。
俺らにだって見つけられるって安易なプライドね。

ミズウオは昼夜問わず砂浜に打ち上がるようだ。
しかし、昼間は鳥たちに我ら人間が敵う訳がなく、必然的に夜の捜索となる。
夕暮れとともに、マサと2人歩き始めた。

この時は2時間仕事くらいだと思っていた。
大きな誤算。
だって毎週のように誰かが拾ったって情報を流していたから。

永遠と続くかの様に思える砂浜。
2時間歩いたところで気がつく。いったいどこまでが深海魚が打ち上がるポイントなんだ?
地図で見るとまだまだ砂浜は続く。
プライドが意地に変わる。
定期的に表れる消波ブロックがやっかいだ。
次の消波ブロックまでは頑張って歩こう!
これの繰り返しだ。

結局、砂浜を一直線に歩き続けた。
日付が変わり、15kmも歩いて来てしまった事実をマサに伝える。
至極単純な話し。帰りも15km歩かねばならない。
引き返す決意を固め、帰りもチャンスがあると信じて、ヘッドライトの電池を入れ替えた。

意地を張って良いことがあった試しが無い。
時には歩み寄り、面と向かって会話することが大切だ。

結局、往復30km歩き、車に戻った頃にはとっくに太陽は登っていた。
無論、ミズウオは拾えず。
浜歩きはやりすぎると股関節を痛めることを知った。

この一件をミズウオ拾いの達人に話すと笑いながら種明かしをしてくれた。
なんでも、海底地形が特殊であるために頻繁に深海魚が打ち上がるようだ。
因みに範囲は数km程度らしい。
1つだけ救われたことと言えば歩いた15kmの中にポイントがしっかり入っていたということ。
前日の風向きと波向である程度打ち上がるかどうか読めるそうだ。
すなわち、毎日打ち上がるものではないという。

表層水が押し流され,底層水が揚ってくる湧昇流が影響するようなイメージだろうか。
そんな単純な話しではないよね。なんて言ったって相手は大自然なのだ。
僕らはいつだって予測のつかない大自然に癒されるし、ある種のサプライズを望む。
年は変わり2017年2月、再び静岡の砂浜を訪れた。
今年は維持もプライドもいったん置いて、気心知れた友人を引き連れ1時間の砂浜散歩を企画した。
もちろん歩く場所は教えてもらったポイントだ。

あっという間に結果は出る。
波打ち際に降り立ち西へ向かって歩き出すこと2分
“あったーーー!!”

非常にシュールな光景なんだけど
現実として、ホンマに波打ち際から1mくらいの砂の上にミズウオが落ちている。

昨年の30kmがあったせいで猛烈に嬉しかった。

そして、安易に誘った砂浜散歩でミズウオを一緒に見つけられて良かったと安堵した。

ミズウオ探しって1匹で全員がハッピーになれる!
そう思った。

皆で他愛無いこと話しながら砂浜を歩くのも悪くない。
言うまでもなく30kmも歩く必要はないけどね。
きっとその日拾えなくっても、星空の下、綺麗な水辺を皆で歩くだけで癒されるはずだ。

皆で記念写真を撮影して、胃袋を割いてみた。

今回出てきたのはイカ類とカマスの稚魚とクラゲ類だった
幸いにも空き缶などの海ゴミは出てこなかった
一安心。

あとがき

大きな口に牙、俗にカッコイイと言われる魚は骨にされてもなおカッコイイもの。
頭部を大事に持ち帰った。
貴重な頭だ。
1匹目の感動はやはり替えが効かないから。
初めて妥協なしの徐肉を試みた。
いつもは自分の趣味の範囲で作るから妥協しちゃう。
誰かの為に物を作るってのも悪くないって思った。

ミズウオは、身が柔らかい為、通常お湯を使って徐肉するところを、冷水で行ってみた。
これが正解!手は悴むほどに冷たかったけど綺麗さっぱり徐肉に成功した。

その後はパイプユニッシュと漂白剤を使って仕上げた。

どう?カッコいいでしょ?!

歯の数がすごいよね!
皆もミズウオを拾ったら標本作りもチャレンジしてみて!

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