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生涯最大の好敵手『魔王』との出会い(小笠原諸島 父島)

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2017.12.04
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生涯最大の好敵手『魔王』との出会い(小笠原諸島 父島)

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2017.12.04
    この記事のタグ:
  • マダラエイ
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  • 小笠原諸島

沼嵜暁哉

エイとサメを愛する釣り人。
漁港と離島によく出没します。

『魔王』
とある魚を敬意を込めてそう呼んでいる。

この魚との出会いは、小笠原諸島父島に旅行へ行った時だった。


小笠原諸島、父島の風景。ボニンブルーの海が広大に広がる

その時は小笠原は2回目、目的は初めて学校の旅行で行った時、自由時間に海水浴場で泳いでいた時に遭遇したホワイトチップ(ネムリブカ)というサメを釣るためだった。


ホワイトチップ(ネムリブカ)はヒレの縁が白に染まるのが名前の由来
ネムリブカという別名の由来は昼間、珊瑚や海底洞窟で寝てる為に動かないから(実際はそうでもない笑)。
サメらしい見た目が怖いが実際は人を襲うケースはほとんどないサメ。ちょっかいを出さない限り近くを泳いでも襲われる事はまずないだろう。

この時はこのホワイトチップというサメ以上を求めておらず、まさか自分の生涯最大の好敵手『魔王』と出会うとは考えもしなかった。
 

◯小笠原諸島、父島到着!

東京の竹芝桟橋から、巨大な大型客船おがさわら丸に乗り24時間の船旅が始まる


航海は24時間にも及ぶ長旅。電波もなくなり携帯電話は圏外の世界。暇つぶしの本や風景にあった音楽を聴いて楽しもう


船内から見る景色も壮大で最高だ!

24時間の船旅を経て小笠原諸島、父島についに到着!


亀さんのお出迎え
ここまでの透明度、小笠原は日本で1番海が綺麗と言われている

到着するなり、ウキウキしている自分はすぐに出帆港で小物釣りを開始!すると南国風の魚がすぐにお出迎え!


タラコ唇がかわいい、、ハタ類は多く多種多様なハタが釣れる。船釣りだとかなりヤバい奴がいるらしい、、、

そんなこんなで多種多様な熱帯魚と遊び、ホワイトチップとの決戦の為に夜釣りに挑む。
 

◯魔王との邂逅

父島の夜はとても静かだ。島民で夜歩く人は少なくメインストリートは人っ気のなくなった空間に変わる。


車も人もいない空間に。世界に1人だけみたいな感覚を味わえるのも島の良さだと思う

私は夜の海にホワイトチップを求め、海に餌を放り投げていた。ホワイトチップは夜行性なのだ。


夜の港には釣り人、観光客がチラホラ。しかし島の静けさが全てを飲み込み、とても静かだ

漁港内には既に餌を求めて数匹のホワイトチップが回遊していた。
私はそのホワイトチップが漁港から出て行く時に通る港の出口付近に餌を待機させていた。

しばらくするとリールから激しく糸が出て行く。

「ホワイトチップが来た!」

そう思い、竿を取りフルフッキング!その直後、、。

「うわああああああ」

思わず叫んでしまった、、。海に連れていかれる、、。ありえない重量とパワーが私を襲う。ガチガチにパワーをかけたリールから為すすべもなく糸が放出される。

「潜水艇でもかかったのか?」

しばらく混乱し耐えているうちに痺れを切らした『魔王』は、私の糸をぶった切り逃走、、。
この時点で『魔王』の姿は確認出来なかった。
 

◯魔王、ついに正体を現す

前日は『魔王』に敗北し、失意のまま終了。しかしターゲットであるホワイトチップはまだ捕獲できておらず、再び昼頃から海に立った。


海へ向かう時に通るメインストリート、夜とは打って変わって賑やかな村へと変貌する

昼は場所を変えて少し深いポイントに移動。ホワイトチップが回遊するであろうコースにムロアジの切り身をぶっ込んでいた。
しばらくして、糸が勢い良く出て行く。ホワイトチップか?すかさず合わせを入れると昨日以上の重みとパワーが私の身体にのしかかる!

「またあいつだ!」

しかし、昨日、大敗北を決していた自分。昨日の経験を思い返し『魔王』に食らいつく!
時折、滑り出す糸を自身で抑えながら対抗。しばらくするとついに『魔王』は水面に姿を現した。

「ヤバい、、、デカすぎる」

『魔王』の正体は、あまりにも巨大なエイだった、、、。

 


ファイト中に撮影した1枚
全長3メーターオーバーの巨大なエイがその重さパワーを遺憾無く発揮する。今でもこのモンスターの事は忘れられない

ど、、どうすんだこいつ、、、。もちろん堤防から持ち上げる事は不可能。こいつを岸にあげるには後200メートル程度歩いた砂浜にぶち上げる以外方法はなかった。
一歩一歩踏みしめ砂浜に近付く、、しかし油断した私に対し『魔王』は最後の抵抗を試みる。

恐ろしいパワー、あの巨体からは考えられない速さで底へ潜り始めた。

「あっ、、」

と言った時には遅く膝をつかされ、腰が壊されてしまった。立ち上がる事ができない、、、。その間に再び奴は針から逃れ、海へと帰ってしまった。2回目の敗北である。
 

◯ホワイトチップ捕獲、しかし、、、。

その日の夜、『魔王』が現れる事はなかったがついにホワイトチップを眼前に拝む事ができた。


フォルムはサメそのもの、写真から、背ビレの縁が白くなっている名前の由来が確認できる

無事にメインターゲットホワイトチップを捕獲したものの、残るモヤモヤ感。
魔王との決着はついていない、、、。2度の敗北を喫した私にとって奴は宿敵でありライバル。一矢報いないと帰れない。そんな気持ちになっていた。

「奴と戦うには万全で無ければいけないだろう。」

この日の釣りは切り上げ、宿に戻り早く就寝し明日の決戦に向けて体力を温存した。
 

◯最終決戦!そして決着へ、、、

その日は昼頃に起床して、釣り開始。やはり多彩なハタ類、熱帯魚が際限なく釣れてくれる。


たくさん釣れたハタ類の中でも特にお気に入りのツチホゼリ

昼間は体力温存のため、小物を多彩に釣り楽しんだ。夜の決戦を気遣ってか、サメやエイも何故か昼は全く当たらなかった、、、。
そして夜釣り、ムロアジを半身にしてぶっ込み。わずか数分の事、決戦のゴングが鳴り響く!!

「重い!!」

なす術なくリールからはラインが出て行くスプールは摩擦を帯びとてつもなく熱い。
しかし、自分も負ける訳にはいかず、これが最後のチャンスと言い聞かせフルパワーで応える。

エイがどうしても嫌がる竿さばきを掛けて徐々に徐々に追い詰めていく。

そこから約1時間、『魔王』との命と命のぶつかり合いが続いたが徐々に『魔王』は体力を消耗しだし、遂にこちら側が主導権を握った!

ひたすらに全体重を掛けて『魔王』を浮かせにかかる。
しかし、最後の最後までどんな事をしてくるかわからない、、、。

手前まで来て奴は再び、フルパワーで海底目指して泳ぎ始めた!前回はこの時に腰を砕かれ立てなくなったが、今回は最後の攻撃を全体重を後ろに掛けていなし、ついに浅場まで巨大なエイを上げることに成功した!


眼前に来てこんなバケモンと戦っていた事に正直驚いた

ラストスパート、後は岸にあげれば自分の完全勝利。ここからは口に手を突っ込みひたすら体重を後ろに乗せて徐々に引っ張る!
ひたすら暴れるバケモン相手に自分もひたすら食い下がる!

そして、ついに、、、、


100キロを超えているであろう個体、2メーターオーバーだが先日の3メーターの個体に比べればまだ小さい、、だが遂にリベンジを果たした

「うおおおお!!」

ギャラリーが集まった夜の父島に、大きな叫び声が響き渡った。
ついに勝った。目には軽く涙が浮かび、今までの悔しい気持ちが報われた気がした。
そして、この『魔王』とはこれからも切磋琢磨して戦い合いたい良きライバルになれた気がした。

この『魔王』は巨大なエイ『マダラエイ』という事がわかった。


マダラエイ。アカエイ科で最大3メーター200キロに成長する。
灰色の下地に黒いマダラ模様が点在する。厚み大きさ共にアカエイの比ではない。日本だけではなくインドネシア近海などにも生息。釣り人には人気はないが、迫力の魚体はダイバーなどにも人気があり親しまれている。


毒針でさえアカエイの比ではない程太く、もう針というよりナイフか短剣。マダラエイを見つけたらアカエイ同様ちょっかい等は出さないようにしよう!
 

◯また会おう!『魔王マダラエイ』!

決戦から1夜明け、この日はおがさわら丸が出港。私と魔王を引き合わせてくれた父島。ほんとに感謝している。

出港ギリギリ、最後まで釣りをしたが、もう奴らが私の目の前に現れる事はなかった。


最後に捕獲したのは60センチほどのバラハタというハタ類の仲間のみであった。こういったゲストもとても嬉しい

最後に小笠原の海に、魚達に、そして『魔王』に一礼。

全てに感謝し、小笠原釣行を終えた。

そして今年も来年もその先も休みが取れる時には小笠原へ行く。島で仲良くなった人、島の魚、そしてライバルであるマダラエイに会う為、、、。

釣りだけではなく海水浴場で泳いでもマダラエイを見つけたりする。

このエイは水中で泳いでいる時も雄大でかっこいい。


マダラエイは小笠原諸島では比較的簡単に観察でき、ナイトツアーの題材になるほど

しかし、私の腰を砕いて私から逃げた巨大すぎるマダラエイ。奴との決闘を制すまでまだまだ自分は奴に勝てたとは思わない。


『魔王』マダラエイ。私の生涯の宿敵としていつまでも戦い合っていきたい

3メーターオーバー200キロオーバー。奴らの限界に立ち向かうために。その先の巨大魚とも闘って行くために、、、。

皆さんも離島や南の島へ行った時はイルカやクジラなどの主役だけでなく、サメやこのマダラエイ達、名脇役にも是非目を向けてほしい。
釣りターゲットや嫌われ者としてではなく1匹の魚として見てやって欲しい。

広大な自然が育んだ魚達、どこをとっても海の主役だと私は強く思う。

私にとっていつまでもマダラエイは『魔王』でもあり憧れでもあり、海の主役だ。
私とマダラエイとの闘いは、出会いは、まだまだ続く、、、。

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