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田んぼの珍魚 タウナギを釣って遊ぼう

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2016.06.27
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田んぼの珍魚 タウナギを釣って遊ぼう

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2016.06.27
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平坂 寛

「五感を通じて生物を知る」をモットーに各地で珍生物を捕獲しているライター。
生物の面白さを人々に伝え、深く学ぶきっかけとなる文章を書くことを目指す。

著書:「外来魚のレシピ〜捕って、さばいて、食ってみた〜」「深海魚のレシピ〜釣って、拾って、食ってみた〜」(ともに地人書館)
「喰ったらヤバいいきもの」(主婦と生活社)

まもなく梅雨も明け、いよいよ本格的な夏が始まる頃である。
この時期に強くオススメしたい、とてもエキサイティングで、ひどく地味なアウトドアレジャーがある。
タウナギ釣りだ。
…まあ、「タウナギ釣りだ!」なんて言ったところで「そもそもタウナギって何?」という人がほとんどだと思うけど。
そこで今日は、そういう基本的な部分からこの生物の魅力と捕獲の楽しさを紹介していきたい。
image26タウナギ釣り、楽しいよ!

鰭が無い!空気呼吸もする!大陸出身のユニークな魚類
タウナギとは中国大陸原産の魚で、日本には近代以降に移植されたと言われている。
が、その外見はほとんど魚には見えない。「ウナギ」と名は付くものの蒲焼きにして食されるニホンウナギとは縁の遠い分類群に属す魚類であり、体型が細長い点以外は身体の構造も生態も大きく異なっている。
image00
image体色は黄色っぽく、さらには鰭が無い。ウナギと名はつくが、むしろヘビに近い印象を受ける。

すべてのヒレがほぼ完全に退化消失しているなど、タウナギは魚類全体の中でもかなり異質な存在感を放っている。他にも鰓呼吸と同時に空気呼吸を行ったり、雌から雄へ性転換したりと特殊な生態を数多く持っているのだ。

日本国内では近畿地方をはじめとする各地の水田地帯に局所的に分布している。ただし、琉球列島の一部に生息している個体群は近年の研究によって、在来の個体群であることが確認されている。

いつ、どんな場所で釣れるの?
タウナギは夜行性で、日中は用水路の石積みやコンクリートの隙間、水田の泥に掘った巣穴などに潜んでいる。そのため、昼の間に釣り上げるのはちょっと難しい。
image12タウナギが好んで生息するのが田園地帯の用水路。ザリガニ釣りか、それ以上に地味なフィールドが舞台。

image34タウナギはこういった石積みや藻の茂み、コンクリートの継ぎ目など、物陰や隙間に隠れるのが大好き。明るいうちにそうしたポイントをいくつかチェックしておくといい。

タウナギ釣りは彼らが活発に餌を漁り始める夜間限定の遊びである。子どもは大人にお願いして連れて行ってもらうべし。

あと、大人も夜中に一人で田んぼの用水路を覗き込んでいるとお巡りさんのお世話になるので注意が必要だ。
image05夜の用水路にしゃがみ込む、というのは見ようによってはかなり怪しい行為なので、通報されないよう注意。

タウナギは水田とその周囲に張り巡らされた用水路に多く生息している(川や池にもいるのだが、見つけにくい&釣りにくいのであまりオススメしない)。釣りをする場合も用水路で竿を出すことになるが、タウナギが活発になるベストシーズンは梅雨から秋口にかけてで、稲作の繁忙期に重なる。トラブルを避けるためにも竿を出す前に農家の方へ挨拶するのを忘れないようにしよう。

ポイント探しは水深、流速、隠れ家に注意
タウナギは遊泳力が極端に弱い、定期的に水面へ鼻を上げて息継ぎをしなければならないなど、魚類らしからぬ生態的特徴がある。そのため、必然的にタウナギ釣りのポイントも一風変わった場所となる。
ポイントを見極める際には以下の点に注意する。まず、泳ぎがヘタクソすぎるくらいヘタクソなので、できるだけ流れの弱い場所を選ぶこと。流れで水面がさざ波立っているようなポイントはかなり望みが薄いと言える。
image19ポイントの悪い例。水面がさざ波立つほど流れの速い水路ではタウナギはあまり見られない。
次に、水深が浅いことも重要となる。頻繁に空気呼吸を行うタウナギは首をもたげるだけで水面へ到達できる水深数センチから30センチ足らずの浅場を好む。
image50流れがほとんど無い、浅い用水路が理想的。底に泥が溜まり、植物が生えているような場所ならなお良し。
さて、浅い水深と緩やかな流れという条件が揃えば、水中の様子を観察できる。ここで護岸や水底にタウナギの隠れ家となりそうな物陰を探し、そこに潜むタウナギを見つけていく。具体的には石積みやコンクリートの隙間、水生植物の茂み、水底に溜まった泥などが必ずチェックすべきポイントである。こういったポイントではかなり高確率でタウナギが顔をのぞかせている。
image36ほら、いた!
image09 夜間にタウナギを探す上で、ヘッドライトは必須。光量を調節できる製品がより好ましい。

タウナギは主に水底付近で小魚や水棲昆虫、甲殻類を待ち伏せて捕食する。しかし彼らの視力は弱く、主に水の振動を頼りに獲物を探しているようである。

この活き餌を好む性質を利用して、ユニークかつエキサイティングな釣りを楽しむことができる。

ルアーでもエサでも釣れるよ
釣りの対象魚としての知名度はまだまだ低いタウナギ。しかし、その手軽さと楽しさは抜群だ。ある意味、下手な大物釣りよりも豪快で、スリリング。
仕掛けを食わせるまでの駆け引きに加え、巣穴や障害物から引き剥がす際のファイトも魅力的だ。
image39石の隙間などに潜り込まれると、とんでもない力で踏ん張られてなかなか引きずり出せない。この状態に陥ると、ブラックバス用の仕掛けなどはいとも簡単にちぎられてしまう。

彼らは動くものならば、すぐさま何にでも激しく食いつく。つまり、エサだろうが疑似餌だろうが、何でもいいから針にかけて、彼らの目の前でマリオネットのように動かしてやればいのだ。操演をお気に召してもらえれば、タウナギは「パクッ!」と勢いよく針に飛びかかる。
image45ルアー(ワームと呼ばれる軟質ビニル製の物が安価で、初心者にも扱いやすい)でも釣れるし、

image14エサでも釣れる。エサはミミズやエビ、タニシの身やヤゴ、魚の切り身、カマボコなどなんでも可。現場で適当な小動物を採集して使用してもいい。

image00釣り針は、シルエットが小さくて太軸な製品を用意する。

使う釣り針はタウナギが吸い込みやすく、かつ彼らとの綱引きで折れないよう、できるだけ小さくて、それでいてなるべく軸が太いものを選ぶ。釣り糸は強ければ強いほど良い。タウナギは視力が弱いので透明なテグスにこだわる必要も無い。針にさえ結べれば、タコ糸でも可。image05意外かもしれないが、タウナギ釣りは竿にかなりの負荷がかかる。絶対に折れない強い竿か、あるいは逆に折れても構わない廃棄予定の竿を使おう。また、できるだけ短いものが扱いやすい。

釣り竿は「できるだけ頑丈で、できるだけ短いもの」を選ぶ。障害物に潜り込まれた際にかなり竿に負担が掛かるので、繊細な竿だと折れてしまう可能性があるのだ。

安物のタコ釣り竿やテトラポッド用の竿などがちょうどいい。

また、長い竿は狭い用水路では取り回しが悪い。自分の身長よりも短いものが扱いやすいだろう。

リールは…適当でよし。糸と竿が太ければなんとかなる!なんなら竿とリールが無くても、タコ糸に針結んで手釣りすればいいよ。

タウナギ釣りなんてそんなもんだよ。お金かけるような遊びじゃねえよ!適当でいいんだよ適当で。

一部始終を目で見て楽しめる!
目の前で仕掛けを動かす、と書いた通り、この釣りはタウナギを目視で確認しなければ始まらないのだ。
まずは用水路をライトで照らし、タウナギの姿を探す。浅くて流れの緩やかな水路に、ぼうっと黄色っぽい、細い影が見つけたらゲームスタートだ。

全身が露出している場合もあれば、頭や尻尾だけを隠れ家(石垣の隙間や泥の中、藻の茂みなど)から突き出していることもあり、場合に応じてアプローチの仕方は様々。
image06

大胆かつ慎重に迫る
タウナギを見つけたら、エサやルアーを鼻先にそっと垂らす。
獲物を視認してから仕掛けを差し出すあたりはザリガニ釣りによく似ている。が、こちらはもうちょっとだけテクニカル。
この際、弱めの光ならそうそう逃げ出したりはしない。大抵のタウナギはライトの光に照らされながらでも平然とルアーに食いついてくる。
注意するべきはライトの光よりも地面から伝わる振動である。タウナギに近づく際に地面を踏み鳴らしてしまうと、警戒して隠れ家へ逃げ込んだり、ルアーやエサに反応しなくなってしまう場合があるためだ。
image41
見つけたタウナギにアプローチする際はできる限り接近し、静かに鼻先へ針を落とす。続いて、タウナギに針や釣り糸をぶつけないよう注意しながら、エサやルアーを細かく動かしてやる。すると、食い気のある個体であればすぐに反応して顔を近づけてくる。
だがすぐには食いつかず、じっと様子をうかがってくる。
ここまできたら、「これはエサですよ〜!」とタウナギに念を送りながらできるだけ自然に、エビや虫をイメージして仕掛けを漂わせる。
image02
想いが通じれば、タウナギは吸い込むように、ついばむように襲いかかってくるはずだ。
image01
だが、場合によってはここで焦って食わせてはいけないこともある。
用水路で見つかるタウナギは石やコンクリートの隙間、あるいは泥の中などの隠れ家から顔をのぞかせている状態であることが多い。特に魚体の大部分が隠れているタウナギに、その体勢のまま針を食われてしまうと、あまりに強く隠れ家へ引き込まれ、釣り上げる際に大変な苦労を強いられる恐れがあるのだ。
この事態を避けるためのテクニックとして、タウナギがエサに食い気を示した段階から少しずつ仕掛けを遠ざけていき、隠れ家からおびき出す方法がある。
image00少しずつ、隠れ家からおびき出せ!タウナギがエサを見失わないよう鼻先で細かく揺らしながら、引き出せるところまで引き出してやる。
できれば魚体の前半分程度は露出させたいところである。この作業でファイトタイムは大幅に短縮され、キャッチ率も向上する。
…ね?意外とテクニカルな要素もあってザリガニ釣りより面白そうでしょ?

image00隠れ家から引きずり出してしまえば、ほぼ無抵抗。というか、魚のくせして泳ぐの下手すぎ。 

ちなみに時折、全身をさらけ出しているタウナギにも遭遇するが、こうした個体はエサを食わせることさえできれば、ものすごく弱い釣り竿や細い糸でも何ら問題無く釣り上げることができる。穴の中で踏ん張ることが出来なければ、とんでもなく非力な魚なのだ。

アワセとやりとり
アタリは針がタウナギの口に吸い込まれる瞬間を目で見て取る。なので、ルアーで狙う場合は蛍光色など視認性の良いカラーの製品を使うと<良い。
image03ルアーは見やすい色の物を選ぶと良い。白や桃色をしたカマボコやはんぺんなども使いやすいエサだ。

タウナギは捕食があまり上手ではなく、口元にあるエサでさえ食い損ねてしまうことが多々ある。

食いが浅いことも多いが、そういう場合に焦って糸を引っ張ってはいけない。釣り糸のテンションを少し緩め、フックが完全に口の中に入るまで食い込ませてやろう。十分に食い込んだことを確認したら、ただちに釣り竿をあおってアワセを入れてやる。
image24まだ食い込みが浅い状態

image40釣り針までしっかり咥え込むまで待ってからアワセる!

タウナギは口周りの骨がとても厚く固い。思いっきりアワセてやらないと、簡単に針が外れて逃げられてしまうので注意しよう。

アワセが決まったらそのまま隠れ家から引きずり出すべく力を加え続け、タウナギに体勢を立て直す間を与えずファイトへ持ち込む。ここで力を抜いて糸を緩めてしまうと、あっという間に潜り込まれて形勢が逆転してしまう。
頑丈な仕掛けを使って、無理やり引きずり出すつもりで応戦しよう。
image48
もし万が一、深く引き込まれて膠着状態に陥った場合は落ち着いて強いテンションをかけ続けてやる。すると少しずつ魚体を引きずり出すことができる。半分程度魚体が見えてくると、突然ズルッと全身が抜け出るので、再び潜り込まれる前に素早く抜き上げて取り込もう。
image18
また、顎の力が強いので針を口から外す際は注意が必要だ。
image47針はプライヤーで掴んで優しく振り、魚体の重みで外す。上手くいかない場合は下顎を小型のフィッシュグリップで掴んで口をこじ開けて外してやる。素手で魚体を掴んで外そうとすると強い顎で噛みつかれて痛い思いをすることがある。

意外と美味しい!
見慣れない姿をしたタウナギだが、原産地である中国や台湾ではごくごくポピュラーな食材として流通している。
捌き方はウナギやアナゴに準じ、中華風の炒め物や麺料理にするととても美味しい。サクサク、プリプリとした食感で、ウナギとはまた違った味を楽しめる。
image27タウナギの青椒肉絲風。image54タウナギの中華風餡かけ麺(鱔魚麺)。

原産地では滋養強壮のための庶民的なスタミナ食材として知られ、夏バテ対策にも効果があるそうだ。

…仕事を終えたら夕涼みがてら田んぼ脇でタウナギを釣り、それをツマミに晩酌してスタミナ補給。そんなスケールの小さなジビエがあってもいいのではないか。
image01なお、持ち帰る際も水はほとんど要らない。タウナギは空気呼吸を行うので、持ち帰る際は魚体が濡れる程度のわずかな水と共に蓋つきのバケツなどに入れておけばよい。逆に多量の水を入れて輸送すると上手く息継ぎが出来ずに溺死してしまうことがあるので注意したい。

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