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世界最大のザリガニ タスマニアオオザリガニについて

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2016.11.02
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世界最大のザリガニ タスマニアオオザリガニについて

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2016.11.02
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  • タスマニアオオザリガニ
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平坂 寛

「五感を通じて生物を知る」をモットーに各地で珍生物を捕獲しているライター。
生物の面白さを人々に伝え、深く学ぶきっかけとなる文章を書くことを目指す。

著書:「外来魚のレシピ〜捕って、さばいて、食ってみた〜」「深海魚のレシピ〜釣って、拾って、食ってみた〜」(ともに地人書館)
「喰ったらヤバいいきもの」(主婦と生活社)

世界一大きなザリガニ。そう聞いて、あなたはどれほどのサイズを想像するだろう。

アメリカザリガニの二倍くらい?いや、三倍?もしかして五倍とか?…いやいや、そんなもんじゃない。本日は世界最大のザリガニ、タスマニアオオザリガニについて解説していく。

分布・・・オーストラリア・タスマニア島
その名の通り、生息地はオーストラリアのタスマニア島である。
ただし、島全域に分布しているわけではなく、北西部の渓流に限られる。
image09タスマニア島の巨大甲殻類やといえば深海のタスマニアオオガニが有名だが…。

imgp1329陸水域のオオザリガニも“怪物”と呼ぶにふさわしい風格を持つ。写真は取材時に現地の研究者の動向のもと、特別に触らせてもらった際のもの。まだまだ“ベイビーサイズ”らしいが、とてもザリガニとは思えぬ重み。

生息環境・・・ブラックウォーターを湛えた渓流
我々日本人にとって、ザリガニの棲む環境といえば(残念ながら)もっとも身近なアメリカザリガニが好む水田周りや沼地が真っ先にイメージされる。

しかし、実はそうした環境に生息するザリガニ類は少数派である。多くのザリガニは冷水域や清浄な渓流を好む。そして、タスマニアオオザリガニもその例に漏れない。
imgp1307タスマニア島は牧場だらけで肉牛(タスマニアビーフ)の放牧が盛ん。タスマニアオオザリガニが棲む流れはこうした牧草地帯にも見られる。

本種は島北西部の山間〜牧草地帯を走る、緑に囲まれた細い流れに暮らす。水底には泥や腐植物などはほとんど見られない。一見すると餌に困窮しそうな、澄んだブラックウォーターを湛えた川である。こうした水域で、タスマニアオオザリガニはゆっくりと時間をかけて巨体を育む。
imgp1310タスマニアオオザリガニが生息する川。

imgp1312水が黒っぽく見えるが、濁っているわけではなく紅茶のように澄んでいる。枯死した植物のタンニンが溶出した、いわゆるブラックウォーターだ。

形態・・・青緑色がかった巨体と強力なハサミ
タスマニアオオザリガニは最大で体重4kg以上、ハサミを入れた体長は実に90cmにもなるという。
その巨躯が放つ迫力は、もはやザリガニというよりオマールエビのそれ近い。硬い殻は青みがかった暗灰色で、独特の重厚感を醸し出している。体表にはカニビルのような寄生虫が多数付着しており、脱皮のスパンが非常に長いことを伺わせる。
imgp1315600mlのペットボトルを抱えるタスマニアオオザリガニ。ベキベキと音を立ててボトルが変形していく。

タスマニアオオザリガニの握力、というかピンチ力は数十kgに及ぶとされる。おそらく、破壊力の面でもザリガニ界のナンバーワンだろう。
imgp1317ザリガニとは思えぬ爪と脚の太さに注目!いかにも美味い肉が詰まっていそうだ。

利用・保全・・・食用目的の乱獲で絶滅寸前
しかし残念なことに、現在タスマニアオオザリガニは深刻な絶滅の危機に晒されている。政府によって厳重に保護されており、採捕が禁じられているほどである。
そして、その主な原因はなんとかつて「食用目的で」乱獲されたことにあるという。

たしかに捕まえやすそうだし、肉づきも良いに違いない。だが、タスマニア島は海産ロブスター(イセエビ類)の好漁場である。陸水域には他種の食用となるザリガニも生息している。なのになぜ絶滅寸前まで獲り続けたのか?
その答えを現地の住民から聞くことができた。

「美味しいからさ!海のロブスターなんかよりずっと味がイイんだ!」

…ぜひともどれほどのものか試したいところだが、悲しいことにその機会は絶望的なほどに失われているのだった。

だが何十年後か何百年後か、いつかまたタスマニアの人々が気軽に手軽に、この巨大なザリガニに舌鼓を打てる日々が来ることを願いたい。

※本記事に登場する個体はまだまだ小物。特大サイズの画像を見たい人は「タスマニアオオザリガニ」あるいは「Tasmanian giant lobster」で検索してみよう!

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