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酷寒の大地ロシアに巨大タイメンを追う『後編』(ロシア)

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2019.11.06
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酷寒の大地ロシアに巨大タイメンを追う『後編』(ロシア)

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2019.11.06
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  • 海外釣行記

鍋田 陽二

1970年 福岡県生まれ
魚類と両生類をこよなく愛する中年冒険家&ハンター。
Facebook上の釣り愛好会『魚塾』の塾長を務める釣りバカでもある。

前編は こちら

『リベンジ完了』

テント内は降り続いた雨で結露しており、壁面が濡れている。明け方近くになると一層気温が冷え込み、寝袋に入っていても背筋が凍るほど身体が震えた。また、一晩中鳴り響くマサのイビキで眠りが浅く、僕は4時に目を覚ましテントから這い出た。熱い紅茶で身体を温めながら空を見上げると、昨日まで空を厚く覆っていた雲は薄くなり、僅かではあるが日が差そうとしていた。

全員目覚め朝食を簡単に済ませると、竿と釣り道具を抱えて各々ボートに乗り込んだ。
キャンプ地から僅か下流の流れ込みのあるポイントに船をつけた2艇。それぞれ上陸しキャストを始める。

暫くすると本流の激流にキャストを続けていたマサが大声をあげた。
どうやらタイメンを流芯で掛けたようだった。一番遠くにいた私が彼のもとに辿り着いた時には既にタイメンは岸に上がっていた。中層でミノーをひったくったタイメンのサイズは106㎝と立派なサイズだった。このチャンスを掴むべく、私もその流心に45gのスプーンを投げ込んだ。

去年の経験で同じ流心には数匹のタイメンが居ついているケースがあり、しかもボトム近くに大型個体が居る可能性が高いことを知っていたのだ。竿を立てると流れに乗ったスプーンは、コツコツと流れながら底の石を叩いているのが伝わる。

2投目、コツコツと石を叩いたスプーンを軽くリフトさせた瞬間、竿先に流れとは確実に違う強い生命感を感じ渾身の合わせを入れた。次の瞬間、激流に乗ったその魚はドラグ音を軽快に鳴らし下流に向けて疾走した。

20分程ボトム付近でのやり取りが続いた後、徐々に魚は流心から外れそして表層にあがって来た。水面に水しぶきが大きくたち。白銀のボディと真紅の尻鰭が水しぶきの間から姿をみせた。タイメンの最後の抵抗を凌ぎ、足元に手繰り寄せた。


118cm、14kgの太くそして美しいタイメンだった。素直に嬉しくて叫んだ。

その後、余韻に浸っているのもつかの間、夕暮れと共に雨が降り出した。最初は祝福するような優しい雨であったが、次第にその雨は姿を変え冷たくそして狂ったように激しく振り出した。
私の今回の釣行は何と初日にフィナーレを迎えることとなった。

 

『迫りくる増水』

4日目まではキャンプ地は河原。キャンプ地前からでもレノックは釣れる。


冷たい雨に打たれ続けた釣行。過去最高にタフな釣行となった。雨は降り続け川の水は日々増水していく。


一日中冷たい雨に降られ僅かな晴れ間に行水。余りの水の冷たさに頭に水を掛けた瞬間強烈に痛みを感じる程。


ガイドたちもこの厳しい状況に険しい表情を見せる。

 

私が運よくリベンジを晴らした初日の夕方から降り出した雨は、その後最終日を迎えるまで止むことは無かった。
日を増すごとに水量は増え続け、最終的には僕らの河原のテントも高台の森に移動せざるを得なかった。

森に移れば安全。

しかし、そこには無数の蚊とダニが我々を待ち構えていた。

元々不自由なテント生活。釣り以外の楽しみと言ったら一度だけ楽しんだサウナ、初めての発砲体験、山菜採取、コックの作るアウトドア料理といったところだろうか。

 

サウナ

積み上げた石を薪で被せたかと思うと火をつけた。熱々に焼かれた石の周りに濡れた松の枝を敷き詰めてテントをかければ簡易のサウナの出来上がりだ。
ガイドも釣り人も裸で国際交流。ほてった身体のまま川に飛び込む。

猟銃

このエリアにも熊が生息しているという。護身用のライフルを試し打ちさせてもらった。

山菜

川岸に生えるクリムシャッドと呼ばれていた植物。生のまま塩を付けてそのまま頂く。
口の中にニンニクのような香りが漂いとてもおいしい。

高台にキャンプ地を移した後はテント周りに生えるワラビを頂く。ロシア風な味付で美味しく調理された。

グルメ

料理長はいつも暖かいスープを我々に用意してくれた。裸にネクタイ。どうやら彼は寒くないらしい。
スープとパンがほぼ主食。たまにアムールパイク・レノック・南方大口ナマズがご馳走となる。

 

『ゲンキマンのリベンジ』


7日目に遂に出たタイメン。ただ彼の求めるサイズには及ばなかった。

最終日まで降り続いた雨。今回一緒にリベンジを誓ってやってきたゲンキマンは、苦戦を強いられる。
私も自分のリベンジが済んだ後は彼と同じボートに乗りサポートに徹した。

今回の6人の中でも釣りの腕前は1番2番の彼が、なぜ釣れないか私も不思議でならなかった。
4匹は確実に超大物を掛けていたが、しかし、計8度も絶好のチャンスを逃した彼の元には満足サイズは現れなかった。

過酷な状況で諦めず最後の一投まで冷静に投げ続けた彼の背中。最期までやり切った誇りと強さが夕日に照らされていた。

タックル紹介
ロッドFin-ch canaria 76M
リール:SIMANO STRADIC 5000XG
PE: 4号
リーダー:50LB
HITルアー:ノースX shell S12S

この釣行の模様はFin-ch channelでもご覧いただけます。チャンネル登録もよろしくお願いします。
https://www.youtube.com/channel/UChRtpHvqZseLwOyv5JVTpew

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