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漁港で巨大生物たちに会える島 小笠原・母島

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2016.04.11
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漁港で巨大生物たちに会える島 小笠原・母島

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2016.04.11
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半澤 聖也

宮城県生まれ
フィッシングカレッジ卒業後、魚類調査会社へ所属。約三年に渡り、東北各地の水辺でフィールドワークを重ねる。東日本大震災を機に、メインフィールドを海外へ移し、タイランドで観光客のガイドや釣り雑誌のカメラマンとして活動。
現在はMonsters Pro Shopの運営と、釣り番組の制作営業に携わる。

2015年5月末。僕らは竹芝のフェリー乗り場から「おがさわら丸」に乗り込んだ。
この日はちょうど東京湾にシャチの親子が迷い込んだというニュースがワイドショーを賑わせていた。
出港直後は、僕らもデッキへ出てシャチを探しながら潮風を浴びたりしてみる。初めて訪れる小笠原の自然と、これから始まる長旅にじれったさを想いながら。

26時間もの船旅を終え、タラップを降りた僕たちを出迎えてくれたのは、想像を超えて雄大な自然だった。
そもそも、船にじゃれついてくる海鳥がカモメではなくたくさんのカツオドリであった。この辺りから本州とは決定的に違う。くちばしに目がついたようなアホ面をしているが、こう見えてかなり賢いのかもしれない。観光客を喜ばせると食べ物がもらえることを知ってか、突然海に急降下しダイビングする捕食行動を見せてくれる。乗客の目の前で。何度も。

image14
アクロバテックなショーを特等席で見ながら、彼らが見つけた生きる術に感心する。

image05
それにしても海が青い。まるでコバルトの絵の具をこぼしたよう。

玄関口である父島から母島へは約二時間ほどの航海。青い海の中には時折キラキラした小魚の群れや、カラフルな魚の群れが見える。
ウミガメやイルカが見れたらラッキーだな。とそう話していた矢先である。船の横に、見覚えのあるまだら模様の巨体が並んだ。

「ジンベエザメだ!」

あまりにも突然の出来事で、想定外だったのでカメラを構えるチャンスすらなかった。これは幸先が良い。
興奮してはしゃぐ僕を同行者たちは「運を全部使い果たしたな」と笑った。

ウミガメだらけの港image13母島の港には見慣れない水槽が並んでいた。飼われているのは、なんとアオウミガメだった。

image03漁師さんたちのペットかと思ったら食用らしい。

実は、小笠原諸島ではウミガメも一般的な食材として親しまれている。売店や土産物売り場でも「亀カレー」「亀寿司」「ウミガメの卵」などの亀肉加工品が簡単に手に入るそうだ。

ならば食べてみよう!
さっそく、居酒屋で「アオウミガメの刺身」を注文した。

image12
アオウミガメの刺身。想像とはかけ離れた鮮やかな赤い刺身。

運ばれてきたのは鮮やかな赤身。馬刺しのようで美味しそう。どんなモノが出てくるのかとドキドキしていたので、安心するやら拍子抜けするやら。
生姜醤油に端を浸して口へ運ぶ。

美味しい。臭みは無く、歯触りはやわらかい。見た目通り、上等な馬刺しに近い印象だ。
ウミガメは、美味い。自信をもってそう語れる。もちろん、食材に対して妙な先入観を抱かなければの話であるが。

港の中で魚釣り

食事を終えると、外はもう日が落ちていた。暗闇に波音が響く。
漁港の常夜灯は、時の経過とともに生態系の縮図を僕たちに早送りで見せてくれる。

まず、光に集まったプランクトンを食べに小魚が集まる。
続いて、その小魚を食べる中〜大型魚やイカ類が現れる。
そして最終的に、この海域におけるヒエラルキーの頂点たるサメ類が集結、漁港の生物全てを震え上がらせる。

image02
南国特有の鮮やかな色をしたトガリエビスという魚。漁港のライトの下で釣れた。

image04
宇宙のような眼を持つネズミフグ。岸壁沿いをネズミのようにちょろちょろと泳ぐ。見つけてしまえば高確率で釣れてくれる、癒しの存在。

ルアーで底を探ればハタの類がエンドレスで釣れ続くし、水面直下ではトビエイが高速で泳いでいる。徐々にサメの数も増えてきた。漁港内の活性が最高潮に達する。
普段は大人しくダイバーの人気者であるサメ「ネムリブカ」もこの時ばかりは獰猛になる。狂乱索餌というやつだ。
薄暗い漁港内であるが、視界に入ってくる数は10匹以上。「目の前にあるモン全部食うぞ」と言わんばかりに水面を肩で波切って泳いでいる。

試しにエサすら付けていない釣り針を水面に放り込んでみる。
…即座に食いついてきた!
激しい格闘の末、人の背丈ほどもあるネムリブカが足元に横たわった。
泳いでいる姿は恐ろしく感じたが、間近で見ると、どこか間の抜けた、愛嬌のある顔をしたサメである。ちょっとかわいい。

image11

image10
漁港で釣れた超大物

水面はこのサメだらけなので、今度は釣った小魚を針に掛けて海底まで沈めてみる。

…待つことわずか30秒。リールから糸がスルスルと出ていく。
「またサメかかったね」なんて言いながら釣り竿に手をかけると、尋常じゃない重さ。糸の先のいるのはネムリブカではないと直感でわかった。

ズルズルと体が海面へ向けて引きずられる。
相変わらず海中ではサメが狂ったようにエサを探している。
足腰がつらい!でも諦めたらサメ!痛みにと疲労耐えながら、少しずつ糸を巻く。

image08
サメが待ち構える海まであと30センチ!冷や汗が流れる。

実を言うと、明日からは船で沖へ出てたっぷり魚釣りを楽しむ予定なのだ。
それは今回の旅の最大の目的でもあった。
ところが初日から、しかも漁港内でこの大捕物を演じることになるとは思いもしなかった!

どうなってるんだこの島は!
image06
腰もヒザもガクガク言いだした頃、ようやく奴は水面に姿を現した。

image00
釣れたのは布団のような巨大エイ

布団が暴れているのかと思った。
冗談ではない。ファイトの感想もまさに「水を含んで重くなった布団と戦っているよう」だった。

そのお化け布団の正体はマダラエイ。小笠原諸島に多く生息する超大型のエイで、本州でよく見るアカエイとは幅もさることながら厚みが違う。分厚いのだ。

友人の力を借りて引き上げると、空気を吸い込んで「ブッフォォォォ!ブフォォォォ!」と大音量の雄叫びを上げる。
さらに毒針を備えた尻尾をサソリのようにもたげ、こちらを突こうとしてくる。
これを食らったら、初日にしてすべての旅程が台無しだ。腹や胸を刺されたら命の危険もある。本当に危ない。

image07
友人がギャフと呼ばれるカギ棒で持ち上げてくれた。アカエイなどと同様、毒針を兼ね備えた尻尾を振り回しながら暴れまくる。危険極まりない。

エイヒレが大好物なのでちょっと惜しいが、さすがに大きすぎるので今回は逃がすことにした。
サメにしてもエイにしても、こんなに巨大な生き物たちが人々の生活圏に普通に入り込んでくる母島。本当にすごいところだ。

彼らは小笠原の豊かさと懐深さを、そしてその自然の厳しさ象徴する存在なのだ。

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