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北の大地を釣り歩く 『巨大カジカを狙え・鍋壊し編』

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2018.12.19
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北の大地を釣り歩く 『巨大カジカを狙え・鍋壊し編』

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2018.12.19
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鍋田 陽二

1970年 福岡県生まれ
魚類と両生類をこよなく愛する中年冒険家&ハンター。
Facebook上の釣り愛好会『魚塾』の塾長を務める釣りバカでもある。

2018年8月末。カラフトマス狙いで知床を訪れた。
夕方の僅かに空いた時間に、堤防で小物釣りを楽しんだ際に釣れた一匹の魚。


トゲカジカ(Myoxocephalus polyacanthocephalus)

地方では、マカジカやオキカジカと呼ばれており、日本では東北や北海道など寒い海を中心に生息しているスズキ目カジカ科ギスカジカ目の魚である。
体長70㎝~80㎝程にまで成長すると言われ、写真の通り頭部は大きくトゲカジカというだけあり、本種もカジカの仲間によく見受けられる棘を頭部後方に持つ。
12月~2月に産卵期を迎え、その時期は、堤防から大型の個体をターゲットとして狙うことができる。

更に、このトゲカジカは、非常に美味しい魚と調べていくうちに判明した。ただし、それを食す為には、鮮度が非常に重要であるようだ。その異名を『鍋壊し』という。余りの美味しさに鍋を箸で突き過ぎ、鍋を壊してしまう程に美味しいというのが、名前の由来である。

と言う事で、産卵期に接岸した大型のナベコワシを釣り上げ、酷寒の空の下で絶品の鍋を味わうべく、冬の北海道を再訪した。


到着したのはサラブレッドと音楽の街として有名な新冠町。


雪こそ降っていないが、すっかり街は冬の装い。当日の気温マイナス1度に風速5m/sec。低い気温と風で直ぐに体温を奪われる。

日も暮れる頃、ポイントとなる港に到着。今回は札幌の友人斉藤大介君(以下大ちゃん)・新冠町に住むアングラー高橋敢太君(以下かんた君)の2名が巨大ナベコワシを捕獲しようと駆け付けてくれた。


それぞれ一人2本、計6本の竿を出す。エサにはさんまの塩漬けを使った。

鈴を付けてアタリを待つが、暫くすると強風で身体が凍るように冷える。余りの寒さに車に避難しようとドアを閉めた瞬間、鈴が鳴った!

慌てて車を出て様子を見に行くと、餌だけがなくなっている。エサを付け直し再び投入。ひと作業を終え車に戻ると、またこのタイミングで鈴がなる。一体この一連動作を何回繰り返したことだろうか?

この極寒の中、どうやら小物にもてあそばれているようだった。マイナス気温と強風のコンビネーションに加え、小物達の猛襲に僕等3人は怯え、そして凍えて震えた。

2時間程経過した頃、やっと魚達が針掛りしだした。


エゾアイナメ(ドンコ)Physiculus maximowiczi (Herzenstein, 1896)
こちらも肝が美味しい魚。三陸の名物料理どんこ汁もかなりの美味と聞く。次回試してみたい。


ヌマガレイPlatichthys stellatus (Pallas, 1787)

河口から河川で釣れることもある。この時期のヌマガレイはヒラメをも超える美味しさだとか。一度食べてみたかったが小柄な個体だったのでリリース。


コマイ Eleginus gracilis(Tilesius)
タラ科の魚で一夜干しにして七味マヨネーズが絶品。

この頃から、少し魚達の活性も上がってきたようだ。鈴の音が鳴る頻度は更に上がり、車に戻る隙もあたえてくれないほどである。

そして、大きく鈴が鳴った。駆け寄り竿を大きく煽ると、あまりグイグイと引く感じではないが、重さと生命感が竿を通じて伝わる。水面からひときわ大きな頭と大きく広げた胸鰭が現れた。『あぁぁっ!ナベコワヒィや!!』
しっかりと『ナベコワシ』とも言えないほど僕らは凍えそして壊れかけていた。堤防に引っ張り上げたトゲカジカを最後の力を振り絞り、観察そして撮影。


トゲカジカMyoxocephalus polyacanthocephalus (Pallas, 1814)
45㎝の中々のサイズ。


頭部と胸鰭が非常に大きく、頭部後方の棘も立派だ。怪獣感たっぷりの男心をくすぐる容姿。


胸鰭と比較すると小柄な尾鰭。全体的なシルエットが遊泳能力の低さ、そして、瞬間的に胸鰭を利用して捕食する待ち伏せ型のフィッシュイーターの形状。


鱗は見当たらない。体表にみられるピンク色が一層この魚の異色さを引き立てる。


お腹周りは白のブチ。どこまで個性的なんだろう!


もう一匹追加した小柄な個体。

≪釣果≫
大ちゃん:ドンコ1匹 以上
かんた君:ドンコ1匹 以上
私:コマイ2匹・ドンコ1匹・カワガレイ1匹・ハゴトコ1匹・トゲカジカ2匹
という釣果となり、折角招集した助っ人選手が全く活躍しないという某プロ野球チームのような結果となった。

 

『ナベコワシ』グルメリポート

当初の計画では釣ったそばから鍋に放り込んで、波の音を聞きながら美味しい鍋で暖をとる筈だった。

しかし、釣行で冷え切った身体に更に鞭を打つのは危険と判断。堤防から10分ほどのかんた君の家に流れ込むことにした。心地よい潮風に吹かれる優雅な鍋パーティの会場が、急遽、男性一人暮らしの臭気漂う狭い会場に変貌を遂げた。あぁ!鍋パーティの始まりである。

調理は3名で分担。一番若いかんた君が魚を捌く。次に若い大ちゃんが野菜を準備。私が盛り付けの大役を担った。


海のフォアグラと称される。トゲカジカの肝。


胃袋も美味しいらしく、鍋に入れてみることにした。胃袋の中にはチカという魚で一杯だった。


こちらは卵巣。ありがたく頂くことにした。


最高の食材と最高の盛り付け。まさにインスタ映えの極み。


撮影後、頭を割り火を通す。鍋から立ち上がる湯気と香り。それだけで確信できた。この鍋美味しいぞ!


かんた君も無言で頬張る。そしてこの表情。冷えた身体が一気に温まる。


大ちゃんも肝を堪能。そして最高の笑顔。

野菜・トゲカジカ・カツオと昆布の出汁を入れて、煮込んだだけのシンプルな鍋の完成。僕らは冷えた身体に熱々の鍋を流し込んだ。かなり大きな鍋だったが3人であっという間に完食した。

トゲカジカの部位は頭・胸鰭・尾鰭の順で弾力がありフグのようなクエのような食感。肝は濃厚の極み。胃袋はコリコリの食感。そして卵巣から零れ落ちた卵が野菜と絡む。全ての部位が非常にクォリティーの高いバランスで鍋の中で1つになり、絶妙なスープを生み出した。


あっという間にスープも残さず完食。

『これぞ!鍋壊し』

鍋田ライターのお届けした『鍋壊し企画』いかがでしたでしょうか?鍋島さんや真鍋さんでもネタとしても『おいしい企画』となります。挙って来年酷寒の地に集いましょう。

以上北の国から2018年冬…

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