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タイの渓流に黄金の魚を追う カスープ&ブルーマシール釣行記

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2016.05.26
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タイの渓流に黄金の魚を追う カスープ&ブルーマシール釣行記

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2016.05.26
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半澤 聖也

宮城県生まれ
フィッシングカレッジ卒業後、魚類調査会社へ所属。約三年に渡り、東北各地の水辺でフィールドワークを重ねる。東日本大震災を機に、メインフィールドを海外へ移し、タイランドで観光客のガイドや釣り雑誌のカメラマンとして活動。
現在はMonsters Pro Shopの運営と、釣り番組の制作営業に携わる。

澄んだ空気を胸いっぱい吸い込みたい。そして綺麗な魚を釣りたい!
緑の中に身を置いて癒されたい。そして綺麗な魚を釣りたい!

タイの首都・バンコクで働き始めたものの、空気が体に合わず喘息気味になっていた2013年3月。
薬を飲んでも病院に行っても咳が止まらない。それなら、心からリフレッシュできる癒しの旅に出ようと思い立った。どこへ行こうかとリサーチを始めると、日本の友人たちが綺麗なイワナやヤマメを釣っている写真がSNS経由で目に入ってきた。

「地元では川釣りが解禁する頃か…。」

無性に渓流に行きたい衝動に駆られた。

「沢へ入りに、いったん日本に帰ろうかな…。」
そう思った。

だが待てよ。
よくよく考えればタイにだって渓流くらいあるだろう。
そりゃキングコブラやらトラやらゾウやら、日本より危険は多いかもしれないが、その向こう側の楽しみを求めているのも事実。

決めた、行く!

image12
食料と水分は多めに蓄える。いちど文明から抜け出してしまうと、次はいつ食料が手に入るかわからない。ここには写っていないが、保存料がたっぷり入ってそうなスライスハムも大量購入した。

image01
目的とする川の近くには車道すら走っておらず、移動手段はチャーターボートに限られた。切り立った山々が無数に並び、まるで「ドラゴンボール」の世界に迷い込んだようだ。

――そこには人工物の気配すら無い、水墨画のような景色が広がっていた。
「ここにはどんな生き物がいるのか」と渡し舟の船頭に尋ねると、やはりトラがいるという。恐ろしいが、ぜひ見てみたい。
一つ気になったのは「海獣がいる」という情報。のちに絵を見せてもらったが、ジュゴンそのものだった。
ジュゴンにしろマナティにしろ、東南アジアの淡水にいるという話は聞いたことが無い。もし本当なら大ニュースなのではなかろうか。

image06
船は湖畔の草原に上陸した。ここから流入河川に沿って上流域を目指す。草むらはキングコブラをはじめとした危険生物の宝庫。注意しながら歩く。

image03川沿いには、水を飲みにくる野生動物の痕跡だらけ。トラの足跡を探していると、ひときわ大きな足跡があった。野生の水牛のものだろう。

image02川を坂のぼり続けると、やっと渓流らしくなってきた。おお、日本に帰ってきたみたいだ!

image14写真で見ると、凛とした冷水が流れる癒しの渓流。めっちゃ癒される!しかし…。

湖畔へ舟をつけ、流入河川を徒歩で遡っていく。次第に川は細く浅くなり、日本の渓流によく似た雰囲気を醸し出しはじめた。
ああ、そうそう。これがやりたかったんだ。ここへ来たかったんだ。

幸せな気分のまま、この冷たくて気持ち良さそうな川に手を浸けた。
その瞬間、夢の中から一気に現実へ引き戻された。

考えてみてほしい。ここは東南アジアのタイランド。熱帯気候の国である。
肌がジリジリ焦げるような太陽光と、息すら上手く吸えないほどの高温多湿。
水温だって例外ではない。それはもはやお湯だった。

それでも、雰囲気は抜群に良いのだ。多少水温は高くても、熱帯ならではの綺麗な魚が釣れるはず。
そう信じて、さらなる上流を目指して歩き続ける。


image04
ついに見つけたポイントは、小さな滝があった。誰が見ても「ここは絶対サカナ居るでしょ!」と言いたくなるロケーション。


そしてついに、いかにも魚の着いていそうな好ポイントへたどり着いた。この沢に魚がいるのなら、必ずここで姿を見せてくれるはず。

小さな滝に向かって、小魚を模したルアーを投げ込む。
滝壺に落ちてくる餌を待っていた魚が、ガツンと食いついてきた。
image10

image07

ついにタイの渓流で魚が釣れた!嬉しい!

特徴的な黒いバンド模様が入った、黄金色に輝く綺麗な魚だ。
タイ語ではプラー・カスープ(以下、カスープ)と呼ばれ、マレーシアではセバラウ、鑑賞魚として日本に入ってくるときはハンパラとも呼ばれる魚だった。
この魚は、コイ科に属しながら魚食性が強く、ルアーへの反応も良いので、現地の釣り人達にとても人気が高い。

image11
顔まで黄金色に輝く。大きな口は彼が獰猛な肉食魚であることを物語るが、口角に蓄えたヒゲはコイ科の証。

少しずつ色味の違う金色を塗り重ねたような、奥行きのある輝きを放つ体色が非常に美しい。
口元にちょこんと見えるヒゲは、自身がコイの仲間であることを強く主張している。

ヒレはオレンジ色に透きとおっている。プラスチックで出来ているのでは?と思うほどの透明感である。
ウロコも金色がベースだが、太陽光を受けてまるでオパールのように七色に煌めく。
なんとチャームポイントの多い魚であることか。

image13
美しさに見惚れて観察が長引いてしまった。水に戻し、しっかりエラに水を通すと元気に川に帰っていった。改めて見下ろすと、背中の黒いバンドが目立つ。どんな進化を経て、こんな模様を纏うに至ったのか。

この1匹を皮切りに、魚たちが姿を見せてくれるようになってきた。

image00
ダツまで釣れた!海から遠く離れた渓流に、まさかダツが住み着いているとは…。

水面下を泳ぐルアーを、なにやら細長い小魚が追いかけ、ひったくるのが見えた。
正体はなんと、ダツ!渓流でダツが釣れるとは。日本では考えられない事態だ。
日本恋しさにやって来たはずだったが、これはこれでとても嬉しいサプライズである。

image05
沢登りの締めくくりに激しいファイトを披露してくれたのは美しいブルーマシールだった。

そして最上流域で釣れたのはカスープとは別の魚。ルアーに食いついた瞬間から、下流に向かって狂ったようなスピードで泳ぐ。金色の魚体がジャンプを繰り返す様は、「釣りキチ三平」のワンシーンのようだった。まさか渓流で、100m以上も下流に走られるとは思わなかった。

ブルーマシールと呼ばれるこの魚もまた、黄金に輝く非常に美しい魚だ。

image09
アロワナのそれを想起させる大きなウロコは、日の光を浴びてカスープとはまた違う黄金色に輝く。ヒレは淡い藍色。

一時はどうなることかと思った釣旅だったが、結果オーライ。最高の景色、最高の魚と出会うことができた。
持ってきた水分が尽きるまでの数日間、この地域に滞在したが、紹介したカスープ、ブルーマシール、淡水ダツの他に、アーモンドスネークヘッドという雷魚や、スパイニーイールと呼ばれるウナギのような魚にも出会うことができた。

image08

そして、もう一つのターゲットである野生のトラには残念ながら会うことができなかった。
それでもサルやシカ、水牛に遭遇できたし、ある晩の深夜にはゾウまで姿を現した。

その時は好奇心を抑えきれず、より近くで見ようと自ら野生ゾウのもとに駆け寄ってしまった。
不用意な接近はゾウの怒りを買い、かなり危険な目に遭った。運良く無事に逃げおおせることができたが、もし駆け出すタイミングが一瞬でも遅れていたら…。

恐ろしい目にも遭ったが、それでもやはり異国の大自然を旅する歓びは何者にも代えがたい。
気候、野生動物、そして人間にも油断することなく、常に危険と隣り合わせなのだという気持ちを忘れずに、これからも自分なりの楽しい旅を続けていきたい。
リフレッシュのための渓流釣りが、三途の川渡りになったりすることのないように。

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