H蟹を捕まえて食べてみた(茨城県・鉾田市)

H蟹を捕まえて食べてみた(茨城県・鉾田市)
ひとけまばらな秋の海……寄り添うアベックはHな気分。僕は寂しくH蟹。
秋も深まり寂しい砂浜。この時期に決して裏切らないターゲットが浜辺に押し寄せる。
秋も深まるこの時期、彼らは産卵期を迎えていっせいに海岸に押し寄せる。彼らの名はヒラツメガニ。Hの刻印を甲羅に刻むワタリガニの一種で、僕等はこの蟹をH蟹と呼ぶ。
ヒラツメガニOvalipes punctatus
日本全域に生息しているワタリガニの仲間。秋から春にかけて産卵期を迎える。甲羅の大きさは10㎝程の小柄なワタリガニで、足には身が殆ど入っていないが美味しい蟹である。
一部の地域では、甲羅のHの模様にちなんでH蟹と呼ばれている。
東京から車を走らせ着いた海岸線。サーフでヒラメを狙う釣り人・サーファー・冷たい風に身体を温め合うカップルと、海岸にはさまざまな目的の人がちらほら。
寒さとの戦いになると、僕はすかさず市販の蟹網を取り出しラインに結んだ。
エサのサバの切り身を蟹網の袋に詰め込む。波打ち際に立つと少しでも遠くに仕掛けを投入しようと渾身の力を籠めキャストした。
とにかく遠くに!!渾身のキャストがさく裂したかにみえたが風に戻され….
仕掛けが沖に流される下げ潮が有利。
*蟹網は場所によって使用できない場所があります。また漁業権等の兼ね合いでヒラツメガニを捕獲できないケースもありますので事前に確認ください。
仕掛けが波におされて波打ち際にあげられないかだけ注意を払う。15分程放置し巻き上げると。
次々と釣れるヒラツメガニ。中には卵を抱えた個体も混じる。
寂しい浜辺にHの刻印が舞う。
その後も釣れ続けるヒラツメガニ。網から外す際に何度も蟹に挟まれオネェのような悲鳴を上げる以外は順調で、あっという間に用意した箱には食べるには十分の量がおさまった。
今回は獲れたての蟹をその場で頂く。
先ずは冷えた身体を温めるため、味噌汁作りに取り掛かる。
お湯に蟹を割ってぶち込み煮立てる。
熱湯が白濁しだすとともに、立ち込める蟹の香り。強風にその香りは一瞬にしてさらわれる。
しかし、間違いない美味さが香りから伝わってくる。完成したみそ汁を、鼻水をたらしながら飲み干す。味噌汁はやはり最高。至高の一品であった。
最高のロケーションでの調理となった。
蟹の旨味が出汁となって熱湯に流れ出る。具は蟹とネギだけのシンプルな味噌汁。
あぁ!間違いないお母さんの味!?
そして二品目に取り掛かる。ヒラツメガニの唐揚げ。事前に用意した唐揚げ粉に、真っ二つにした蟹をまぶす。
180度ほどのになった油に投げ込み一気に揚げる。今度は香ばしい蟹の香りが立ち込める。しかし、その香り強風によって一瞬にしてさらわれた。
甲羅は外しておいた方がよいかも?まぁバリバリ喰って歯茎から出血するのも男料理の醍醐味か!!??
大海原を眺め、波の音を聞きながら楽しむ朝食は、絶品のカニ料理と相まって最高のひと時を演出してくれた。
素晴らしい景色に別れを告げるとき、微笑んだ私の白い歯は、甲羅で負傷した歯茎で赤く染まっていた。歯槽膿漏ではないことを追記しておく。
残ったヒラツメガニは自宅に持ちかえり、家族にも振舞う。
3品目はヒラツメガニのトマトクリームパスタを仕上げた。
先ずはニンニクと割った蟹を炒める。そこにトマト缶を入れ火が通ったら暫く放置。蟹の風味がトマトと絡み最高のソースが出来上がる。
材料費は然程でもなく蟹さえ確保できれば高級パスタを楽しむことができるお勧めの一品の完成。
塾長の3時間クッキング
~適当な渡り蟹のトマトクリームパスタ(2人前)のレシピ~
材料:ヒラツメガニ6匹
トマト缶 1缶
ニンニク 1片
塩コショウ 少々
生クリーム 少々
パスタ 200g
コンソメ 1片
パセリ 少々
新鮮なヒラツメガニを真っ二つに切ります。料理ハサミを使用すると良いです。フライパンで蟹とニンニクと炒め、塩コショウを少々、その後トマト缶とコンソメを加え少々煮詰めます。火を止め数時間程そのまま放置すると蟹の風味がソースにしみ出すのでGOOD。
パスタを茹出たらソースとしっかり絡め、生クリームを少々加えると…..
イタリア料理店の高級パスタにも負けない絶品パスタのできあがり!!!!