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富士山麓に眠る人魚の謎を追った。(静岡県富士市)

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2018.08.15
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富士山麓に眠る人魚の謎を追った。(静岡県富士市)

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2018.08.15
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鍋田 陽二

1970年 福岡県生まれ
魚類と両生類をこよなく愛する中年冒険家&ハンター。
Facebook上の釣り愛好会『魚塾』の塾長を務める釣りバカでもある。

人魚への道

男であれば誰しも憧れる人魚の美貌。美しい顔、素晴らしいプロポーション、そして魅惑の貝殻でできた乳バンド。何を隠そう。私もそのうちの一人であった。

そんな私のもとに耳寄りな情報が入った。富士山のふもとに、日本最古と言われている人魚のミイラが祀られているというのだ。早速、ミイラに逢えるという富士山麓の天照教本社へ連絡をとった。


簡単に行き着くことが出来そうなのだが…

宮司さんとは17:00に天照教本社の駐車場で待ち合わせしていた。

その日、富士市近郊で仕事を片付け早々に向かった訳だが、不思議なもので、もう1時間以上富士山麓の山道を走り続けていた。車のナビゲーション、携帯のGoogleマップ双方を駆使しても、長々と山道を走った挙句行き止まりに突き当たる。何度もこれを繰り返している。

まるで、少々よこしまな気持ちで人魚に逢いに行こうとした私を遠ざけているかのようであった。


延々と薄暗い杉林の山道を迷い続ける。


雲がかかり美しくも怪しい雰囲気を醸しだす霊峰富士。

いよいよ約束の時間が迫り、大通りに出れば誰かに道を尋ねることができるだろうと、一旦山道を下りる決断をした。大通りのお店で道を尋ねると、その大通りを真直ぐ10分程走り、右に曲がれば簡単に見えてくるとの事だった。

教えてもらった通りに車を走らせると、不思議なことで難なく15分の遅延と共に到着した。すぐに宮司さんにもお逢いすることができ、天照教本社の奥に招いて頂いた。
鳥居、本堂、そして、森の木々が取り囲んで厳かな雰囲気に包みこまれた。

敷地脇の小さな平屋に案内され、玄関に入ると、そこには、紫の布をかぶせられたガラスケースが置かれていた。宮司さんが静かにその布をまくり上げると、人魚は姿を現した。
その瞬間、私は、驚きのあまり思わず口走ってしまった。

『おっさんや!なんでやねん!!』

なんと姿を現した人魚のミイラは、中年男性のミイラだったからである。


性別:男性


年齢:推定50歳


身長:約168㎝


体重:約60㎏


憧れの人魚の姿はそこにはなかった。

私の憧れた人魚像とのあまりの違い愕然としたのだが、同時に何故男性なのか?なぜ水の中にいる筈の人魚がこの山中にいるのか?疑問が噴き出した。

人魚の謎

宮司さんはミイラの謎を静かに語りだした。

今から1300年ほど前、西暦600年頃、推古天皇の皇太子聖徳太子が琵琶湖のほとりの石山寺で、仏戒教文を施行し、かの有名な十七条憲法作成のために滞在していた。

そんなある日、琵琶湖から大魚が躍り出てこう叫んだ。
『私は長年この辺りで漁師をして生きてきた。しかし、ここ琵琶湖は殺生禁断の聖池であったため其の罪により、神様にこのようなおぞましい姿に変えられてしまった。しかし、今聖徳太子様の法戒を聞いて殺生の恐ろしさをしみじみ知りました。末の世まで私の醜い姿を残すことにより殺生の恐ろしさを語り継いでほしい』
そう言い残し昇天し、ミイラになったという。

その後、このミイラが置かれた数々のお寺で異変が起こり転々とすることになったのだが、この霊峰富士の麓の天照教本社に落ち着いたという。
私は話を終えた宮司さんにお礼を言うと天照教本社を後にした。


振り返った私を霊峰富士が静かに見下ろしていた。

自宅にもどり、汗まみれの顔を洗うと鏡をのぞき込んだ。
最近、薄くなった髪の毛と釣り三昧の日焼けで皮がむけた見覚えのある顔がそこに映った。
『せめて無駄な殺生はやめよう....』

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